このレビューはネタバレを含みます
藤子不二雄Ⓐ先生が描いた同名の漫画のアニメーション作品。
10分アニメーションが3本入っていました。
『笑ゥせぇるすまん』の女性版って形ではあるんだけど、個人的にはどれもオチが理不尽というか・・しっくりこなかった・・・。
個人的には人間の汚い所がもっと見たいし、因果応報じゃー!というブラックユーモアがきいた『笑ゥせぇるすまん』の方が圧倒的に好みだった。
でも、1990年に映像化されている作品なのにあまり古さを感じないところは、藤子先生の着眼点の素晴らしさだなと改めて感じる。
ぼんやりしていて会社に馴染めない男が趣味のコーヒーを振舞ってようやくみんなと馴染めると思ったら毒親(母)にうちの大切な一人息子にお茶汲みをさせるな!とクレームを入れられ、余計に居場所がなくなってしまう話や男らしいと言われてきた男性なのに自分の女性気質に目覚めてしまい、自分の性について悩んでいる話など、今でも通ずるような話題が盛り込まれている。
30年以上前の作品だと思えないくらいだ。
本作の話ではなく余談にはなるが
人口爆発問題を取り上げた『間引き』
高齢化社会が進んだ世界を描いた『定年退食』
など、今でも色あせないゾッとする名作が多数ある藤子先生。
ブラックユーモアを描かせたら右に出るものはいないと思うくらい素晴らしい先生です。
個人的にオススメの話は『ミノタウロスの皿』です。
最後の1ページにすべての伝えたい皮肉がギッチリと詰め込まれている・・・魅せ方が素晴らしいです。
ぜひ、ブラックユーモア好きは読んでみてね。