配信で一気見。
「義妹生活」というタイトルからなんとなく敬遠していました。
なんかタイトルが、いかにもアニオタ好みの美少女ブヒブヒ!な妄想ストーリーの予感ぷんぷんじゃない。
もしくはエロゲ原作?とかっておもっちゃったり(違うのですが)。そういうのはいらないんだわ。
が、食わず嫌いでした。
これは名作。1話から引き込まれ2日かけて一気に完走。
結果的に1回も涙するシーンはなかったけど、中盤から終盤にかけて「これはどこかで泣かされそうだ」と思ったくらいには感動作。
「ラブコメ」かと思っていたけどラブコメではないです。コメディー要素はない。超真面目に描いた、一言でいうならラブ・ストーリーですね。
いいですねー
OPもいいけど、EDのkitriがいい。
EDへの入り方もとてもよくて、1話1話でとてもよい読後感というか余韻があった・・
kitriは「古見さんはコミュ症です。」の「ヒカレイノチ」で強烈に好きになったんですよ。
EDいい曲だしいい歌い手さんだなーとおもってみてたら「kitri」って出たので「おおおおkitriさんだったかあああ」ってなった。
それから雰囲気がいい。
これ、なんでいいかわかった。
私の好きな作品で「夏へのトンネル、さよならの出口」っていうのがあるのですが、その「雰囲気」に似てるからだとおもいます。
原作小説があるのでしょうが、これはやっぱりアニメの力だとおもう。
声優さんの演技があり、楽曲が盛り上げ、美しい背景や演出―過去の回想シーンとかね、そういうのが組み合わさって、なんともすばらしい雰囲気を醸し出す。
もっとも、それだけではひとを感動させることはできなくて、やっぱりこれは、脚本というかシーンというか。
ストーリーやキャラの心の動きや理屈や・・丁寧に、ゆっくり12話をかけて編み込んで紡いで、だんだん終盤にかけて盛り上げていってのラスト12話、っていう。
そういう完璧な構成があるので、感動があるんだなぁと思いました。
印象的な良いセリフも多い。そのまま書くのはネタバレなので書かないけど、味わいたい名セリフも多いです。
伏線のばらまきと回収もいい。
例えば「酢豚がなんでそんなに刺さったんだろう」とかっておもうじゃない。
最初に「期待しないから、期待しないで」これは絶対最後に回収があるとおもった。
令和にしては骨とう品なカセットテープ、なんだろう?っておもうじゃん。
できごとを先に書いておいて、あとで「日記」のかたちや、回想で、「そのときどうおもってたか」を種明かし?するのとか。
この「どうしてそういう行動をしたのか?」というのも、「そのときそんなことを考えていたからそうなっていた」っていうのが必ずわかるようになってて。
「あああそうだったのかー」ってなる。そういう気持ちよさみたいなのが好きなので、続きもみたいってなる。
そしてこれは重要なことですが、リアリティーを損ねてない。
漫画的ご都合主義的な展開あるじゃん、「そうはならないだろ!」っていう。
もしくは悪い意味でのアニメノリ。
「そんなアニメアニメした考え方や行動や態度に出るやついねーよ!」ってのもたくさんアニメをみてるとよくあるけど、そういうのがない。
(まぁ読売さんとか奈良坂さんとかはいかにもアニメキャラではあるけど)
「すりあわせ」だいじですよね。
これもっと若い頃にみたかったな、とおもった。そしたらきっとそこまでは失敗はしてない人生になったのではないかなあとかおもってしまう。
・・これ両親が離婚したら、義理の関係が外れて、晴れてゴールインハッピーエンドってなるのでは、っておもうけど、「義妹」というのがミソの関係なんで、絶対ないですねえ。
これたぶんまだ完結はしてなくて、小説は続いているんだとおもいます。
でもこれはアニメでみたい。この雰囲気で、このペースで続きをみたいので、2期希望!
2024年夏の作品は「負けヒロインが多すぎる!」が俺的1位でしたが、甲乙つけがたい。
Filmarksでの★は低いようですが、これは高評価をつけたい。負けヒロインと同じくらいということで、★4.7でお願いします。