2023年、91本目。
初見。
友人からの勧めで。
全12話。
原作の事を調べていたら過去作、「みつどもえ」は既に読了済みだった。
あらすじは割愛。
ほとんどがモノローグという形の連続アニメ作品。
主人公の心の声を常に把握している視聴者という系統としては「私がモテない…」のシリーズと同じものを感じた。
主人公の成長を描けている。
感心したのは9話でのそれまでの自分が嫌われているという当たり前の前提だったところから、かなり進んだ、心を弄ばれたと感じ、怒り、2人の立場が逆転するパートなど、恋愛での駆け引きを中心とした人間の成長と他者と交わることによって生まれるコミュニケーションの難しさや楽しさをラブロマンスを通してしっかりと表現出来ていた。
第1期の最終話に当たる12話目では、主人公の自己肯定感の低さの種明かしとなる事にも触れ、子育て、教育に関してもとても考えさせられた。
そういえば11話での初詣の際の、状況が全く読めてないあの親の感じ、からの12話、作劇的に素晴らしい。
ただ、こんな事しねえよの応酬で、その他のエピソードで作劇的にどうしても辻褄が合わない点は多く、おそらくこれは原作ありきではあるため、仕方なし。
もっと外の世界をしっかり見た方がいいぞ。
逆に主人公のお姉さんは弟と共通する性質を持ちながらもとても明るく、同じ環境で育ったとは思えないが、それにより、より良い青年期の成長可能性のパターンを想像させるキャラクターとなっていて、普通に感心した。
基本的に共感性羞恥というか観てられらないくらいベタな展開ではあるが、人間が描けているために深みのある作品になっている。
音楽の牛尾憲輔もとても良かった、物語を邪魔しない。
結構な話数、山田を狙う学校の先輩が結構嫌なやつで、本当イライラするやつで死んで欲しかったが、演出は丁寧で実存感があった。なお、キャラクターはSUPREMEなどを着てるので、そういうキャラクターに着せられるブランドになってしまったなんてたまったもんじゃないななんて思ったりもした。
アニメとしては、正直、絵自体は良いようには思えなかった。
細かくいえば、アニメに出てくる部屋ってなんか広過ぎるし、机なども大き過ぎ、細かいところで違和感を感じる点多々有り。
2期の制作も既に決まっているとの事で、どうしようかなといった感じです。
概ね満足、デートに行きたくなるような作品ではありました。
あんなにクラスの端っこにいる子をしっかりと観察してくれ、評価してくれる女の子は少ないとは思うが、ラブロマンス以外の点でもとても同じ立場の人間に何かを与える作品だったのではないかと思いました。
よってこのレーティング。