多種多様な魔物を食べながら迷宮の中を探索する物語。
というと単なる料理アニメかと思ってしまうが、普通の異世界ファンタジーとして考えても設定ストーリーともに重厚で、個々の話における目的設定のやり方がとても上手く、非常にクオリティの高い作品。一話ごとの密度も非常に大きい。
キャラクターや世界観について特に何の説明も入らないままいきなり冒険・戦闘が連続するので一見雑な演出に思えるが、本作はストーリーの方針が非常にこなれていて、むしろそれが正解という。。
本作では登場人物の人種が多岐に渡り、現実世界とのリンクを匂わせる発言も其処此処にあって、いわゆるポリコレを丁寧に考えている作品だと感じた。ここをきちんと描けているのは高く評価できる。
しかし、あらゆるものを食材とするわりに、頑なに亜人を食べない設定は恐らく倫理的価値観に縛られた結果だろうと思われるので、本作ならそこはもう一段殻を破っても良かったのではとは思った。。
そういう話をやると「カニバリズムを推奨している!」という膨大な量のクレームがくることは想像に難くないけど、普通にそちらの方が愉快では?
いずれにしても、非常に面白いストーリーであることは間違いない。世間では同時期に放送された「葬送のフリーレン」人気一色だけど、個人的には本作の方がファンタジー作品としてはかなり格上だと感じた。今の差は単に一般受けしやすいキャラクターデザインや広告の打ち方の違いに現れているだけだと思う。