誰が言ったか令和のプラメモとな。
なるほど、(極めて良い意味で)絶妙に世界観周りや考証がガバい感じがそれっぽいというか、そこら辺を度外視してでも様式美をゴリ押しする使命感を帯びた作風、そしてストーリー全体を通して一昔前のエロゲや泣きゲー的な文体芸を強烈に意識して作られている印象があった。
ただ、俺みたいな懐古趣味全開の古の厄介オタクしか観ないならそれでもいいのかもしれんが、ある程度万人に受け入れてもらえるようコンテンツを「平均化」しなくてはならないのが今の商業アニメの難しい所だと思う。
そういった映像化作品特有の「辻褄合わせ」みたいな部分が作中で歪で、酷くノイズに感じて仕方がなかった。
加えて原作未プレイの身で露悪的な物言いにはなるが、やはりゲーム作品の映像化において、翻案の限界という永遠の課題の一片をまたしても感じずにはいられなかったといいますか。
起承転結の“転結”部への情報の詰め方に節操がなさすぎて非常にモヤモヤしましたね。
しかし、9-nine-、サマポケ、(事も有ろうに)ぬきたしと、今また再び近年の名作といわれるエロゲやビジュアルノベルのアニメ化企画の波が来つつあると感じていた最中、本作がその口火を切ってくれたのかもしれない。とか考えると、それはそれでひとつの感慨を催させる。
やはり覚悟とは、暗闇の荒野に進むべき道を切り開くことをいうんだろう。そういうことにしとこう、うん。