本作に出てくる革命家のパトリック・シルベストルのモデルが三島由紀夫ということを考えると、個別主義者は全共闘運動のことを言っているのだろう。安保闘争と択捉返還=沖縄返還は70年代の実際の政治問題であり、個として集団化した個別の十一人の集団自殺はおそらく三島由紀夫の市ヶ谷駐屯地割腹自殺だろうか。80年代に登場する社会システム論などを描きながら実際の政治問題を丁寧に扱っていて面白かった。結末も難しい政治問題を見事に描き切っている。一番好きなのはやはり「機械たちの午後」。今回も普通にタチコマで泣かされた。