*追悼:田中敦子
2031年。中国大使館籠城テロ事件を機に特殊部隊規制法が廃案となり、公安9課が復活した。大使館事件を引き起こしたのは「個別の11人」と名乗る集団で、アジア諸国からの難民を保護する難民措置法に反発する右翼思想のものたちだった。折しも、あらたに総理の座についた茅葺女史が措置法撤廃に向け動いていた矢先の事件。さらに「個別の11人」が声明を出したテロ事件が続発する一方、難民側は右傾化する日本政府に抵抗するため自爆テロ事件を引き起こしていく。9課は「個別の11人」出現の背景を探り、そのメンバーがある人物に操られていることを掴む。それは内閣調査庁・合田一人という男だった。合田の目的は一体何か?
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「個別の11人」は、テロ後に自決するプログラムを埋め込まれていたが、メンバーの一人クゼだけは自決を思いとどまった。彼は真に難民の将来を憂いており、反難民思想の「個別の11人」とは異なるビジョンを持っていたのだ。9課の手を逃れたクゼは、ネットを介して難民に長崎・出島集結を呼びかけ、自治国家を立ち上げようと画策する。クゼの切り札はロシアから手に入れたプルトニウム。これを用いて日本政府に国家承認を迫る…
「攻殻機動隊SAC 2nd GIG」
リーダーに統率された集団ではなく、同じ思想と目的を持った者たちが同格の存在として事件を起こすというのがこのシリーズの特徴。個と集団というのが大きなテーマなんですね。
ファーストシーズンが刑事ものなら2ndはゴリゴリなポリティカルサスペンス。故に劇中の歴史を把握していないとキツイです。
後半は、9課メンバーの個別エピソードが見所。パズのそっくりさん話、サイトーの狙撃話、バトーのベルリン話など、本筋と関係なくても面白いですね。そして、やはりタチコマは最後に泣かせてくれるよね!