クオリティ的には5点あげたい。圧倒的な画面の充実ぶりが兎にも角にもものすごく、おそらく今年1年通してもトップクラスの作品になる可能性が高い。ただでさえアベレージが高いのだが、1〜3、8、10、12〜13話は圧巻と言っていいクオリティ。中でも10話の絵コンテ演出五十嵐海×作画監督竹内哲也という組み合わせは全く予想外の座組かつ互いの色が出まくった回になっていて強烈だった。錚々たるメンツが参加していた作品だったけれども、作画面では竹内さんに加えて3話の作画監督をつとめた伊藤香奈さん、榎本柊斗さんの貢献がシリーズ通して非常に大きい印象を受けた。
お話も魔境側のロードムービーと天国側のデザイナーズチャイルドものっぽいノリを交差させるのはかなり新鮮で、最後まで謎は多く残したままでありながらも十分に楽しめた。
外天楼とネムルバカが好きだったのでさすが石黒先生と思った。
ディズニープラス独占であんまり話題にならないのも商業的にはアレなのかもしれないが個人的には嬉しかった。いかんせん話題性が先行しすぎると見る上でノイズが大きいため……
と、個人的には褒めたい要素もたっぷりなんだけど、それだけに7、8話のデモの描き方とか10話の女だけの町の設定とかがかなり致命的なノイズに感じられてしまったのが非常に残念。2つとも単体としてはいいエピソードだからこそ、その背後に感じられる若干の思想性が少なくとも自分にとっては全部を台無しにしてしまった感じが強い。
6話はそういう意味では割り切って見られる感じで良かったんだけど……