ProductionI.Gの本気を見せてもらった。キャラの動き、演出、全てがハイレベル。ロードムービーでありながらミステリー的でもあり、作中で示された謎が非常に気になるようにできている。それぞれの話も面白い。さらに、OPも非常に凝っている。だからあらゆる意味で楽しんで見られる。まぁ、文明が崩壊してるのに貨幣に価値がまだあるのかってのは気になったが。推測だけど、高原学園パートはひょっとして大災害前の話?
見ていて楽しいのだが、個人的に看過できないレベルでモヤったところもある。具体的には不滅教団篇(7-8話)と壁の町(10話)。不滅教団篇を見たとき、「またこんな話か」と思った。デモを行っている人間をあからさまに馬鹿として描き、最初悪だと思われていた教団こそ、人々を救っていた、という展開。善悪の逆転が起こる展開、という点では面白いかもしれないけど、昨今のこの界隈でのデモに対する冷笑的態度とか、そもそも石黒先生がアンフェに傾ているという現状と合わせて考えると、あまり見ていて気持ちのいいものではなかった。また、壁の町は、『マッドマックス 怒りのデスロード』のイモータン・ジョーの王国における男女の役割が逆転した話だったんだけど、ここでは別に価値観の逆転みたいなことは起こらない。最後に一捻りあるけど、基本的に「酷い女どもから逃げてきた男たちの話」でしかなかった。これも見たとき、現実の性被害とか、前述の石黒先生のアンフェ傾向とかと合わせて考えると、うーん・・・となったよね。