TRPGにおいてGMは「この世界は滅んだ」「君らは全滅した」を為すことのできる万能無敵の神である。
プレイヤーに遊びを提供する苦労を一身に背負うがゆえに本当に何をしてもいい。
昨今のお優しいゲームにしか触れたことのない人にはこのアニメの楽しみ方の作法がまずわからなそうである。
このアニメを見る上での視座とは。
異能力バトルやその世界観なんてつまるところギャグである。
この作品に出てくるあらゆる能力がすでに既知である。
それを用いてダラダラと茶番戦闘をするのも見飽きたのである。
世界なんて結局バランスであり、極端に振り切った人間がトップに立てば今でも人為的に人類を激減させることが出来るのである。
なにをやろうが人類も世界も滅びることが確定しているわけで、ぶっちゃけ主人公はそれを前倒しできる程度の能力でしかないのである。
この程度の視座を一応は持てる人が見るべきギャグ作品である。
宇宙崩壊に火魔法で対抗できるはずがない。
真面目なチート比べ視点なんて捨ててしまえ。
ギャグなんだから笑えばいいと思うよ。
笑いながら地球のケツアナに立ち小便する精神。
神になって世界を笑え。
宇宙崩壊vs既知の凡百に堕したチートや展開。
こんなもの笑ってしまえ。
この作品の本質は「つまらない」へのアンチである。
ただ異能力や展開に悪口を言うことしかできないのが「ただのアンチ」であり無能であり私や君らである。
面白くアンチしようというのがこの「アンチ作品」である。
「アンチ作品」とは面白くしようという心意気が絶対的に必要なものである。
だから私はこの「アンチ作品」というか「作者に」敬意を表するものである。
そして。
私が作業の傍ら無限リピートしてしまうくらいに上手く仕上げてくれた「アニメ原作者の監督」にも感謝申し上げまくるところである。
調べたら低予算救済担当と言われるレベルの勘所と作家性のあるお助けマンみたいなしゅごい監督なんですねぇ。
っぱ。エンタメは人。属人性から絶対に離れられないもんよね。