きゃなえ

戦隊大失格のきゃなえのネタバレレビュー・内容・結末

戦隊大失格(2024年製作のアニメ)
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このレビューはネタバレを含みます

2024年春アニメ

主人公である戦闘員D(CV小林裕介)中心に鑑賞しました。戦闘員Dについては、正義のヒーローではなく、昭和のショッカー的悪役。かつ、性格についても真っ直ぐで純粋な王道主人公ではなく、ヒーローへの敵対心や復讐心に満ちている捻くれ者系主人公。それ故に、小林裕介さんの演技も綺麗めなトーンではなく、斜に構えた感じを表現された声です。個人的に黒い心を表現するとき、ゾクっとします。

ネタバレを含む話になりますが、戦闘員Dが桜間日々輝(CV梶田大嗣)に擬態して過ごすわけですね。通常、心の声は小林さんで実際の発声は梶田さんが担当されている。ですが、誰もいないときは桜間の喋り方から解放されて、元々の戦闘員Dの喋り方になります。声は梶田さんだけど、戦闘員Dが気を抜いてるときの喋りになり、それが自然なんですよね。「ああ、中身は戦闘員Dだったね」という感じで、梶田さんの技量を感じました。

錫切夢子(CV矢野優美華)はずっと何を考えているのか分からない妙な不気味さを抱えた女性なのですが、矢野さんの演技がとてもハマっていたと思います。何もかも受け入れてくれそうなのが聖母ボイスだとしたら、こちらは何も受け入れてくれなさそうなミステリアスボイスといったところでしょうか。かわい子ぶりっこでもなく、かといって綺麗すぎず、塩梅が難しいキャラだと思いますが、お見事でした。

個人的に大塚芳忠さん大好きなので、後半ペルトロラ(CV大塚芳忠)が再登場したところで興奮しました。味のあるお声と演技で作品が一気に締まりますね〜〜。

ストーリーについては、4話辺りまでがどう展開していくのか気になるものでした。それ以降、ヒーロー側訓練生達が一気に出てくるので、キャラを覚えるのが苦手な私は苦戦。この辺りは原作未読の弊害ですね。その訓練生達が昇格試験を受ける話数が続くわけですが、その試験における戦闘シーン等が続くので、戦闘員Dは何がしたいのかという本質のところを、観ていてついつい忘れちゃうんですよね。だから、少し話がブレているように感じてしまっておりました。でも、10話のペルトロラとの対峙により、その辺りのブレがなくなったと感じ、ストーリーにも勢いが戻りました。

メチャクチャIQ低い話をしますが、訓練生の制服ってえっちぃですよね。ボディスーツ的にピッタピタなんで、女子はおっぱいを男子はお股を、共通してお尻を強調されてしまう謎のラインが入っていてフェチを感じます(拍手)


最近のアニメはOPとEDの楽曲アーティストでどれだけチカラの入ったアニメ(または資金潤沢なアニメ)であるかという指標になるかと思います。OPをキタニタツヤさんにするあたり、気合い入ってるなという印象でした。そしてそれに見合う楽曲を提供されていてノリに乗っている方は流石ですなぁ。EDのナナヲアカリさんは存じ上げませんでしたが、世界観に合致していてこちらも良きですね。サブスク配信で一気見していると、どうしてもOPとEDを飛ばしがちですが、どちらも好みな楽曲なので飛ばさず見ていました。楽曲に合わせたアニメーションも良くて、特にOPはセンス良いアートっぽさがとても好みです。エッシャーの『上昇と下降』風なペンローズの階段を戦闘員達が登って降りてしているのは風刺が効いている。


ただ、今作についてはDisney +独占配信が故に、気になりつつ鑑賞できていない人がいるんじゃないかなぁと思うと、非常に勿体無いですね(Disney +あるあるって感じですね。恐らく独占配信だと実入りが良いんでしょうね…とかオトナの事情を思ってしまいます)
せっかく2期も決定しているので、その辺り救済があると良いなと。2期は2025年予定だそうで、楽しみに待ちたいと思います。
きゃなえ

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