近年アニメで、神作画とよく言われるけど、個人的にこの表現が好きじゃない。神作画は、たしかに演出面も作画面もどちらも素晴らしいのだが、作品を通して一定のクオリティが保たれている作品にしか許されるないと思う。例えば鬼滅の刃とか進撃の巨人とかは、ほんとに素晴らし過ぎて圧巻だ。神作画が嫌いというよりは、作画が綺麗=神アニメというのが罷り通ってしまう現状が嫌いなのかもしれない。そんなわけで作品より重要なのは、演出であると常々思う。だからこそ押井守の作品はストーリーが解り辛いけども、面白いのだ。業界においても、作画を重視する風潮が見え隠れしている気がする。アニメーションというただでさえコスパが悪いメディアなのに、更にそれに拍車が掛かっている気がして、悪循環が罷り通っている気がする。なのにアニメーターの給料は安く、使い潰されるというのが気に食わない。だからこそ、その作画に値するだけの作品でなければ、前提としてよろしくないとまで思うのだ。本作は、自分が嫌いなものの、いい例である。
まだ1話しか観れてないのだけど、冒頭から作画がとんでもない。画面の至る所にまで拘られていることが伺え、静止画にしても絵になるのが素晴らしい。しかしながら絵が綺麗すぎる故に、キャラクターの線が細く、全体的に熱意が感じられない画作りになってしまっている気がした。特に本作は日常ラブコメなのに、ここまで作画が綺麗すぎると過剰演出が過ぎてしまい、見づらい。そして演出の気持ち悪さが目立ってしまっている。キャラクターを可愛く描くことは素晴らしいが、背景やモブは抑えるべき、強弱を付けて描かないと、かえって見にくくなる。そんな反面教師的な素晴らしい作品。
アングルや画の細さにおける演出が過剰過ぎて気持ち悪いのと、随所随所にCGを使っているのは素晴らしいが、CGがリアルすぎて気持ち悪いという、とにかく気持ちの悪いアニメーションである。
ストーリーに入る前に見るのが苦痛になった。
原作を1巻だけ読んでみたのだけど、これは作者が可哀想かもしれない。ちょっと演出過剰すぎて、漫画とアニメが別物になってる。
こんなにアニメでドン引きしたの初めて。