彁

時々ボソッとロシア語でデレる隣のアーリャさんの彁のレビュー・感想・評価

2.7
「なろう」原作のラブコメ作品。キャラ、特にヒロイン達の作画には意気込みを感じるが、内容は至ってごくごく普通の量産型ラブコメで、既視感を覚える場面が多い。メインヒロインがロシア語でデレる…も、主人公は実はロシア語を理解していて…という設定も一見斬新な印象を受けるが、実際のところはメインヒロインの好意の言葉を理解しきれないという点では平成期によく見られた「難聴系主人公(ツンデレヒロインが小声で呟いた好意の言葉に「え?なんて?」と聞き返して怒られる、お決まりパターンのあれだ)」の類似品にすぎない。そして登場人物の内面もキャラ付けが甘くあまり人間味を感じず非常に記号的で、ヒロイン達の好意を抱いた瞬間なども含め、感情移入しきれない。それ故にただでさえ文化祭準備、生徒会選挙と大昔から使い古されているシナリオを焼き増ししてやっているだけなのにもはや脚本をただ棒読みしているだけのような状態になっており、輪をかけて退屈。一部場面に至っては違和感が強く気味悪く感じさえした。ラブコメとしては致命的な部分だ。
唯一、EDに関しては毎話違う歌をアーリャ(cv.上坂すみれ)がカバーしており、試みとしては先駆者はいるものの新鮮さを感じ、一部懐メロも楽しめたので良かった。
彁