〜可憐さが天元突破なヒロイン。平均点を大きく超えた凡作〜
・総評
作画の良いラブコメアニメとしてみればかなり高評価。
ロシア要素はスパイス程度。
このアニメの魅力は9割方ヒロインによって保たれているので、ストーリーはおまけ程度で楽しく観れると思います。むしろラブコメに振り切ったほうがいいような気はしました。
お色気要素やドぎつい下ネタは賛否両論かも。
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・良かった点
〇オープニングからまるで劇場アニメかのような作画、背景。特にヒロインを魅力的に表現することに関しては相当気合いが入っていました。最終話までハイクオリティだったのは本当にすごい。エンディングは毎話違っていて、アーリャがボーカル固定で、名曲揃い。飽きさせない作りです。
〇4人のヒロインたちがとにかくカワイイ。めちゃめちゃ作画キレイです。
メインヒロインのアーリャは普段クールに振る舞っていますが、主人公に好意を抱いていて、ことあるごとにバレないようロシア語でデレてきます。が、バレバレで基本あらゆる面でポンコツキャラです。普段は落ち着いた話し方だが、デレる時は心なしか口調が素直で幼くなるのがギャップを感じてイイ。
お嬢様キャラだが、主人公の前では一気に砕けた口調になる妹の有希。この子が登場すると一気にコメディ感(ラスボス感)が高まります。人気が出るのも頷ける。
・悪かった点
〇ストーリーについて。
ヒロインとのラブコメを挟みつつ、徐々にアーリャが生徒会長を目指すという展開にシフトしていきます。ストーリー自体はわかりやすい一方で、あまり必要性を感じなかった。生徒会や、その会長職につくことが名誉なことであるように描かれますが、その理由については語られておらず、同様にアーリャ自身がなぜ生徒会長を目指すのか、かなり不明確です。
生徒会長選挙に多大な影響を与えるといわれる、学生議会という場面があるのですが、そこでのやりとりもひどかった。およそ偏差値の高そうな高校に見えるだけに、生徒会含め生徒たちのレベルが低いように感じました。
設定やらキャラの内面やら描写こそされるものの、説明不足が多く、途中に挟まるラブコメのおかげで物語の緊迫感が削がれています。
〇今作の主人公について。
普段から怠けていて、おちゃらけた口調が特徴の、なぜかロシア語を理解できる主人公。どうやら名家の生まれで、天才・周防家の神童と呼ばれていたらしい。いざとなるとかなり頼りになるキャラになり、学校の揉め事を解決したり、生徒会長を目指すアーリャをサポートしたりと、切れ者として描かれています。
要はなろう系主人公で、癖が強いです。解決策の提示も普遍的なもので面白味も特にはないです。普段の姿は言葉悪く言えば陰キャで、会話のノリもきつめ。突然怖い顔で生徒会長戦のかけひきをやられても、急にどうした?としか思えない。
努力ができなくなった経緯の描写はあるんですが。もう少し好感の持てるキャラにはできなかったものか。
※散々書きましたが面白かったです。2期も期待。