このレビューはネタバレを含みます
『アイドルマスター』関連アニメシリーズの最新作。今までのアニメシリーズは全て視聴済、『シャイニーカラーズ』のEnza版原作ゲームもある程度プレイしており、アイドルやユニットの関係性は多少把握している状態で、本作を視聴した。
『シャイニーカラーズ』の一番の特徴である、良く言えば文学的で叙情的かつハイコンテクストな台詞回し、悪く言えば迂遠で回りくどい雰囲気ドリブンな展開は、本アニメでも健在。たっぷりと間を取り、ゆっくりと時間が流れるテンポ感は好みが分かれそうだ。空や背景を多めに映すカットやピアノ主体のBGMも落ち着いた空気感を助長する。
4ユニットの活動を描いた今回のアニメでは、メインとなる1組の物語の合間に他ユニットの様子を挟む形で描写されていた。全ユニットを平等に描きたいという意思の表れだったかもしれないが、毎話毎話ザッピングするかのように「一方その頃……」をやられると集中力が削がれてしまう。
3Dモデリングの出来は良い。原作ゲームの2D立ち絵の繊細なタッチやデザインを上手く3Dに落とし込めていたように思う。
本作が不運だったのは、半年前に『ミリアニ』が放送されていたことだろう。同じ『アイドルマスター』シリーズの3Dアニメが立て続けに放送されたことで、否応にも比較されてしまう。『ミリアニ』の出来が総合的に良かったことも相まって、本作の粗が目立ってしまった感も否めない。
本作はすでに2クール目の制作が発表されている。原作で人気の高い追加アイドルたちの登場がほぼ確実となっているが、果たしてどのような出来になるだろうか。