膝の皿

逃げ上手の若君の膝の皿のレビュー・感想・評価

逃げ上手の若君(2024年製作のアニメ)
3.5
アニメーションにおいては、3Dなのかロトスコープなのか判断がつかない作画は一話から凄まじく、演出面においてもすごくインパクトのあるオリジナリティ溢れた見せ方がされていて、毎話本当にすごいなと思うが、ストーリー自体は正直特筆するほどのことがない。
そして一番の問題点はキャラクター。インパクトがあってキャッチーで覚えやすいキャラクター性はすごくいいし面白いと思うが、個性が強すぎるが故に人間味の欠如が目立ち、その影響もあってか、心理描写があまり上手くなされておらず、感情というものがすごく大事になりそうなストーリーなのに、感情移入のしようがない部分が多い。
ギャグを交えながらストーリーを進めていくのはいいが、キャラクターもなにもかもがギャグ寄りになりすぎていて、シリアスな場面でせっかく良い演出がなされていても、その突然の変換についていきづらい。
勿論、その濃いキャラクターたちやギャグ要素のおかげで、グロテスクなシーンが多い作品の割に大衆人気を得ることができているとは思うから、商業的に見たら良い部分なんだと思うが、一作品としてみるとかなりマイナスになってしまっていると思う。
膝の皿

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