このレビューはネタバレを含みます
備忘録
①2.4
②1.5
③0.2
④0.1
自分が鎌倉時代末期から室町、南北朝時代の歴史に疎いため、史実ベースの物語ではあるが新鮮な気持ちで楽しめた。
「いかに永く生きるか」が命題となっている現代とは対極である「いかに潔く死ぬか」が武人の矜恃とも言える時代で、生きるコトに執着した時行は現代人に近い価値観を持っていたのかもしれない。
しかし、歴史の教科書には必ず載る鎌倉幕府の滅亡において潔く死んでいった人々が讃えられることは無いし、大半の人間は人が潔く死ぬコトに興味が無いのが現実で、そこには虚しさしか残らないのが寂しいところ。
本作における神秘の概念は凄く好きで、神秘とはそこに在るもの。人々の心の在り方と共存していて、神秘の時代から文明の時代、人間の時代になっていく過程でそれは薄れていってしまう。現代人には神秘の存在は想像するコトしかできないからこそ、心惹かれるものがあった。
最終回の戦を終えた時行たちの描写からCGで大地を駆る兵士たち、絵巻として描かれる諏訪神党の面々へと切り替わっていくシームレスな演出が刺さりました。
歴史的な観点で見ると本作は北条時行の物語の序章にあたると思うので、これからの大乱をアニメで見られる日が来ることを期待しています。