八咫烏

逃げ上手の若君の八咫烏のレビュー・感想・評価

逃げ上手の若君(2024年製作のアニメ)
3.5
「暗殺教室」と同じく設定が秀逸。

主人公は足利氏に滅ぼされた鎌倉幕府の後継者、
北条時行。
「戦で死んでこそ武士の誉れ」の時代に、逃げて逃げて生き残ろうとする。
暗殺~と同じく二律背反の構図が効いている。導入が上手なのも同じ。
激動の時代の、だけど史実では曖昧な、この人物をチョイスしたのも正解だと思う。

公家や足利サイドの、描き方の自由度がハンパない。変態というか、妖怪しかいない笑
対して時行サイドはあどけない少年ばかり。
対比が過ぎる笑
主人公のヒロインっぷりと、彼を導く諏訪頼重のキャラの濃さが突出している。

ストーリーの発想は悪くないし、エピソードの取捨選択が上手い。
結構大きな事件であっても、シーンをダラダラ描写する事がないのでテンポがいい。
テーマも主人公の背景もシリアス。
だが中身は徹頭徹尾ギャグ路線。
それでいて、序盤にしっかりと残酷さと無常感を表現したのもいい。

しかし哀しいかな、作りはいいのだが中身には
そそられない。
ぶっちゃけ好みでもないし、面白いとも言えない。
暗殺教室の時も思ったのだが、キャラクターと自分の相性が良くないのかもしれない。
キャラもギャグもことごとくツボに合わない。

ただそれを吹き飛ばすほど、作画のクオリティが高かった。中盤以降はこの作画見たさに完走。
最近のClover worksには凄みすら感じる。
まるでテクニックの見本市のようだった。
毎回毎回手を変え品を変え、あらゆる手法を投入してきて、驚きと爽快感があった。
opとedを観てヤバいな。。と思ってたけど、最後まで突っ走ってた笑


時代劇アニメって少ないながらも作られ続けているが、今の時代にウケるのはこういう作品なんだ。。と興味深かった。
歴史上の結末は知っているけど、果たして「史実のあいまいさ」を利用してオリジナルな決着をつけるのか、史実に沿うのかは気になるので、2期(やるよね?)も観ようと思っている。
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