しげもん

逃げ上手の若君のしげもんのネタバレレビュー・内容・結末

逃げ上手の若君(2024年製作のアニメ)
3.6

このレビューはネタバレを含みます

視聴前の段階で夏アニメの中でも注目度の高い作品でした。制作がCloverWorksで外すこともないだろうということで視聴を決めました。その期待には応えてくれる作品でした。原作は未読ですので、その点ご了承ください。

作品レビューとして「よかった点」「気になった点」、ネタバレ多めの「雑多な感想」の三本立てでお送りします。


よかった点。
作画にはかなり力が入っていました。素晴らしい回は多くありましたが、やはり第一回は頭ひとつ抜けてよかったと思います。第一回だけでも観る価値アリです。

たびたび史実をナレーションで補足してくれるので無学な私でも安心して楽しめました。場合によっては勉強にもなるような、そんな作品です。

OP,EDの映像はかなりよかったと思います。楽曲単体では正直微妙かなという印象でしたが、アニメーションの力で素晴らしいOP,EDになっていました。本編が血みどろであるほどああいったOP,EDは映えますね。


気になった点。
作品を通してやりたいことが見えませんでした。詳細は感想パートにて。


以降雑多な感想。
物語の方向性自体が定まるのは早かった(たしか第二回あたり)ですが、その後は同様の展開を経る中でキャラクターの成長などが描かれるばかりでした。そのため本作は独立した作品としての強度が少し低いように感じました。さて、本作は原作4巻までのエピソードが描かれたそうです。10/3現在の最新巻は17巻であり未完であることを踏まえると、まだまだ作品の本筋には入っていないのかもしれないという気もします。第2期が制作されるならば、この辺りにも期待したいところです。

第十一回以降はかなりギャグへ傾倒しているように感じました。本作は扱う内容がシリアスよりであり、描写もシリアス調を基準とし、たまにギャグシーンを挟むようなものでした。私はそのバランスを楽しんでおり、それが本作のスタンスであり魅力だと感じていました。しかし第十一回以降はそれが崩れました。戦場というシリアスな場でギャグシーンが多く挿入されたのです。ここで私の解釈が崩れました。今後もこのようなギャグメインの展開をしていくのであるならば、序中盤に感じた確かな魅力が損なわれ、私の好みからも外れてしまうと感じました。

アニメーションとしては素晴らしいですが、内容はいまいち私には刺さらない作品でした。第2期が放送されるならば視聴すると思いますが、他人に勧めるほどの作品ではないかなというのが正直な感想です。
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