試写会に当たったので、Netflixで視聴。
Netflix使うの初めてだったため仕様が分からず手間取ったが、なんとか配信分3話まで観れてよかった。
最初にNHKでの実写ドラマを見ており大変面白かったので、アニメだとどう表現されるのだろうと興味を持って今回鑑賞させて頂いた。
1話の水野と吉宗公の関係が好きなので、またアニメでも観れてよかった。
凛とした吉宗公と、気風も人も好い水野の展開がよかった。
夜伽の床で、好いた女の名を呼ぶ許しを上様に乞い、吉宗公に水野が縋りつくシーンでは思わず涙してしまった。
話の流れ的に、2話が一番物語としては面白かった。
家光編での登場となる、有功の宮野真守氏と、玉栄の梶裕貴氏の配役は、個人的に大変好みの演技の配役だったので、事前にリサーチしておらず知らずに鑑賞したため、思わぬサプライズでとてもうれしかった。
(美形で上の立場に立ち部下を率いる主君役の宮野氏のキャラと、若い年齢のせいで若干幼さやあどけなさを残す美少年であるが聡明で心から敬愛する主に仕える従者役の梶氏のキャラの演技が好きなので。キャスティングした人に感謝。)
自分が成し遂げたい夢と、俗世に帰還せねばならない現実の狭間であがきながら藻掻いて苦悩する有功と、決断を迫る周りの人物たちのやり取りがとてもよかった。
NHKドラマ版を鑑賞済みなので、先の展開を知っているため、この2人の演技で続きが観れると思うと、早く観たいと思ったほど期待している。
個人的に、川井氏の音楽がとても伴奏としてハマっててよかった。
ただ、1-3話ともラブシーン等が随分あっさりというかさっぱりというか、拍子抜けする演出だったので、もうちょっと盛り上がりに欠けるのでどうにかしてほしいと思ってしまった。
全体的に演出が控えめというか、固い気がするのはあえてか?物足りなさを感じるので、もうちょっとドラマティックでもいい気がする。
男性同士の感情の好感描写や、化かし合い合戦等の描写(特に1話の久通と藤波のやり取り)はとても良いなと思うほど見入ってしまうところもあるのに、男女の恋愛・情事シーンになると急に失速してがっかりしてしまうので首をかしげながら見てた。諄くねっとりしろというわけではないが湿度があまり感じられない。
(原作は未読の為、もし原作基準で抑えめにしているというなら、原作ファンが喜ぶだろうと思うのでそれでいいとも思うけれど、アニメーションとしてはちょっと……)
もうちょっと作画の演技を頑張って欲しい。
正直、元の原作の話の面白さと、声優さんの演技に助けられて作画が負けてる。瞳に灯る光や心を現すようなそれの揺れ、視線や仕草の誘導等、工夫できそうなところがまだあると感じて物足りなさで正直ガッカリした。激しい動の動きが多いようには思えない話なので、ちょっとしたそういう機微でドラマを感じたいと思った。
特に1話の水野とお信は身分差で結婚できないことに苦しんでお互い思いを伝えられず、両片思いなのに最後の別れをせざるおえず覚悟した瞬間の、多分前半で一番盛り上がるであろうキスシーンだったのに、え?こんなもん?と思って結構がっかりした。せっかくの思い合うシーンなのに空気感というか雰囲気がなかった。(ネームドキャラとはいえモブ扱いだと考えているなら、ああいうあっさり描写でも打倒なのか?原作未読だからどれほどの熱量で描かれてるのかわからんのでこれ以上言及できないが)
政治的な話も面白いのは当たり前として、人間同士の感情のやり取りのシーンもこの作品の面白さの一つだと思うので、せっかくアニメ化したんだから、もうちょっとアニメーションとしてこその面白さで魅せて欲しいと不満を感じたので、ちょっと満点にはできなかった。
(EDが一番アニメーションとして良いと思ってしまったので、本編もうちょっと頑張ってほしい。)
あと出来たら、テロップ出た方がよかった。1話でお役目の説明の時にヒエラルキー表が出たけど、ああいう感じで文字でもわかるように表現されると助かる。特に人物初登場の場面や役職名が出てくる時等に、名前や役職のテロップがあったら記憶に定着しやすくて親切だと思う。
昔の人間の名前とか役職とかは、一般的な現代人にはなじみが無くてわかりにくいので。(原作ファンにしか方向性が向いてないのなら要らないのかもしれないが)
あんまり比べたくないが、このままだと個人的にNHKドラマ版の方が面白いという評価で終着してしまいそうで困るので頑張ってほしい。アニメ化楽しみにしてたので。もっとよくなるんじゃないかと思える出来なので、なんとももどかしい。