緩さが魅力のTVシリーズの続編であり、完結編でもある。
1期と大きく異なる点は、「唯たちが3年生、つまり卒業生」であること。高校生活の3年というのは、授業、親友、行事というあらゆるものが最後であり、そして別れがつきものでもある。2期で最もそれがよく表現されているのは、やはりファンの間でも神回と呼ばれる第20話「またまた学園祭!」。いつも通り大舞台で演奏をする軽音部。この回が伝説と語り継がれるのは、その演奏後の部室でのやり取りである。今まで何となく過ごしてきた高校生活、その青春の一部が終わる瞬間そのものをアニメとして切り取る。驚くのは、最後の学園祭での演奏を終えた後のエピソードはアニメ完全オリジナルなのである。脚本家・吉田玲子は原作でも描かれなかった、青春の一部の終わりを描いた。演奏を終えた彼女たちの「来年も頑張ろう」というやり取り、零れ落ちる涙がかなり胸に刺さる。
この原作以上に青春の終わりを連想させるエピソード、演出は随所に散りばめられており、1期よりも感傷に浸れる最高の日常系アニメである。
最終話「卒業式!」における、唯たちが梓に送るラストソング「天使にふれたよ!」は、かけがえのない後輩との別れ、そして「けいおん!」シリーズとの別れを思わせる、切なくも優しい名曲である。