ベルベー

BanG Dream! It's MyGO!!!!!のベルベーのネタバレレビュー・内容・結末

BanG Dream! It's MyGO!!!!!(2023年製作のアニメ)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

「バンドリ」のことは存じ上げていたんですが、シリーズ一本も観てない(正確に言えば一本総集編をながら見したことはあるけど、内容ほとんど覚えてない…)のでなんとなく距離感があった。が、この前youtubeのおススメに出てきたAve Mujicaの「顔」という曲を聴いて心が掴まれた。HYDEの3rdアルバムに入っていそうなハードでゴシックなサウンド。作詞はDiggy-MO'ときた。カッケェ。

が、コメント欄によると、この曲の良さを100%味わうためにはこのAve Mujicaのライバル?バンドであるMyGO!!!!!が主役の「It's MyGO!!!!!」と、Ave Mujicaメインの続編、計2クール分観た方がいいらしい。全26話か…ならば然程ハードルは高くない。ということで、まずは「It's MyGO!!!!!」から鑑賞スタート。


…おっっっもい!!重い!!!重くない!!??ビックリした。中学時代、空中分解したバンドのことが忘れられない少女達。成り行きで新しいバンドを結成するも、上手くいかず、喧嘩ばかり。一生喧嘩してる…。

いやギスギスが特徴とは聞いてたよ。「EIGHT JAM」でやってたから。でも7話まで一回もライブやらずに喧嘩ばかりとは思わんかった!そんで喧嘩の内容が!辛い!!お互いに相手の心を抉って、結果自分の心も傷つけている…そんな自傷行為はやめて、お願い!!!

永遠に喧嘩してるのかと思ったら、7話でようやくライブした。カッコいい。でもライブ終わりに過去一の勢いで喧嘩が始まって、解散の危機に瀕していた。…そんなことある?折り返し地点過ぎても一切仲良くならねえぞこの五人。ジェットマンでももう少し協調性あったわ!

とか唖然としながらも見入っちゃったんだよね。普段、胸糞悪い話だと観るのに時間かかるのに。でもそれってキャラクターを上手く描けているからなんだろうな。五人全員、ぼっちちゃんと同レベル或いはそれ以下のコミュ障。全員違うベクトルで問題を抱えている。上手く行くわけがない。

正直、観ていて五人全員にイラッとさせられる。でも、五人全員の葛藤も感じられるから、ヘイトまでいかない。この後どうなるんだ…という不安ともどかしさ、ちょっぴりの期待で緊張が持続する。…一人、あんま葛藤してない野良猫がいたけど。でもこの子が物語をどんどん牽引してくれるんだよね。

そして10話。今までのすれ違い、傷つけ合い、全部を音と詩と叫びに乗せて昇華する。エモ散らかした。泣いた。神回でした。MyGO!!!!!の音楽性が定まる瞬間、その理由が泣けるし、メンバーの泣き顔にもらい泣き。日本の3DCGって、こんなに豊かな感情を表現できるんだ…演奏しながら五人中四人泣いてるんだけど、それぞれの涙の理由が少しずつ違うのを、表情で表現できているんだもん。凄えよ。カメラワークも見事。

こうして迷子のまま、歩み始めたMyGO!!!!!。しかし、ここに件のAve Mujicaはどう絡んでくるのだろう?…と思ったら、最終話で10〜12話の余韻をブチ壊す、思いつく限り最悪のデビューを果たしてるんですけど!?何、祥子、どういうこと!?なんで青春ロック捨ててMALICE MIZERみたいなバンド始めたの!?

驚愕のクリフハンガーで幕を下ろす第1章。リアルタイムで追ってた人、こっから「Ave Mujica」まで一年半待ったの…?大変だそれは。可及的速やかに第2章も観始めます…。
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