初めはアメリカのお菓子のような色鮮やかな背景が印象的だなと感じ、デフォルメされたサンリオのキャラクターの演奏する姿に意外性を覚えていたが、観ていく内に個性豊かなバンド・キャラクターが縦横無尽に駆け回る様にすっかり心を奪われてしまった。ストーリーの山場で暗くなりすぎない点が好ましく、シリアスとギャグのバランス感覚が優れているのもシリーズを通して褒め称えるべき特徴だと思う。
物語は明確な敵が配置され王道と言える筋を辿るが、挿入される楽曲の良さと相俟って思わず見入ってしまう。楽曲とノリで押し切っている向きもあるけれど全然嫌いじゃない、大好き。
ところでオープニング主題歌のメロディが幾通りものバリエーションで劇伴として流れるのだけれど、それだけで喜怒哀楽のシーンによる使い分けがされていることに驚かされる。こういった懐の深い旋律こそが名曲なのかもしれない。
