このレビューはネタバレを含みます
設定の勝利。
中学時代に挫折を味わった球児たちの中に、天才バッテリーの2人。
だがこの2人、守備の要のキャッチャーが記憶喪失で初心者になっていた。
この設定が上手い。
始めは内輪ウケのギャグで楽しめなかったのだが、話が進むにつれ「設定」が随所で生きてくる。
テクニカルなエピソードでも主人公が素人に成り下がってるおかげで、野球を知らずとも楽しめる。
野球を知らないからこそのセリフがチームメイトの胸を打ったりする。
天才バッテリー以外のチームメイトが全員中学時代に挫折を味わっている構図も良く出来ている。
それぞれ才能だったり、フィジカルだったり、部活動の因習だったり原因はさまざま。
そんなセンシティブな壁を、アホな初心者がデリカシー排除でぶち破ってくれる。
ギャグベースの中にこの青春エピソードが効いてきて、最初ピンとこなかったギャグにも巻き込まれて楽しくなってくる。
ストーリーは記憶が戻るかどうかが軸になるかと思いきや、一瞬戻るもまた記憶喪失状態に。。
ここの展開すごく可笑しかった。
キャラデザが好みでなく、正直期待していなかったから余計に面白かった。
しかし作画はMAPPAらしい質感が美しく、特に千早回は引き込まれたし、爽やかなop、edも良くて1度も飛ばさなかった。
それとこの作品においては特に重要なcv。
宮野真守ありきの面白さであったのは間違いないと思うのだが、いつでも熱の込め過ぎな演技が苦手だった梶さんが思いのほか良かった。
珍しく?セリフを「キメに」こないし、ツッコミも上手で作品にちゃんと埋まっていたと思う。
野球アニメとしてはタッチ、おお振りに迫るくらい面白かった。
きっと2期あるだろうから、楽しみに待ってる。