音楽ものTVアニメとしては久々の傑作。フルCGでやってのけたことがアニメ史に刻まれる偉業だと思う。名作「のだめカンタービレ」のアニメ化で明らかになったが、これまでTVアニメでの演奏描写は非常に難易度が高く、「演奏シーンだけCGにする」「そもそも演奏してる姿を映さない演出にする」等といった涙ぐましいものが多かった。※この頃のCGを知っていれば本作の凄さがよく分かるはず。映画スラムダンクのように、進化したフルCG（回想等一部は手描き）にすることで自然な演奏シーンを可能にした点が大きい。
人間ドラマも素晴らしかった。1話から面倒臭いことこの上ない仁奈の圧倒的存在感…徐々にそこが好ましくなっていくのが面白い。ドラマでは桃香との衝突回。仁奈に過去の自分を見ていたと語る桃香に「私で逃げるな」の一言が強烈。腹の中全部ひっくり返す勢いでぶつかった先の涙は脳裏に焼き付いている。演奏シーンは11話のフェスがとりわけ圧巻。音楽アニメーションの魅力が最大限に込められた回、正直最終回で良いレベル。事務所契約の話をその後の僅か2話に詰め込んだため、最終話はやや物足りないまま終わってしまった印象。他の回でもう少し削れる部分もあったと思うだけに惜しいなと。それでも今期では毎回のアベレージでぶっちぎりのベスト。完全オリジナルであることも凄い、関係者には拍手を贈りたい。
