グッときてしまった。無軌道でがむしゃらな生き方に憧れていた。今も心のどこかで憧れている。だからそんな気持ちをトゲナシトゲアリのメンバーに重ねて応援するような気持ちで感情移入してしまった。
見る前の期待値は低かった。3Dアニメに抵抗もあったし、花田十輝氏の脚本ということでラブライブの焼き直しみたいな話かもと想像していた。
でも実際は違った。洗練されたカメラワーク。そしてラブライブより、もっと泥臭くて人間臭い話。川崎という街も、失礼を承知で言えば洗練された都会と言うには一歩足りず、それが今作の舞台に相応しい気がした。
共感性羞恥を引き起こしてしまいそうなぐらい、融通が効かず協調性のない主人公の仁奈。でも気付けば応援し、まるでバンドの成長を見守る親のような気持ちで見るようになっていた。
プロの声優さんではなくバンドのために集められたメンバーが声をあててるのも面白かった。正直、少し声優としては下手だなと思った部分も後半には味になってるなと思えた。
総じて本当に良かった。今後の3Dアニメやバンド物のアニメの指標になって欲しいし、実験的な要素も含めて評価されるべき作品だと感じた。