初めてこのアニメのOPを見て「俺はこの5人が本編で揃って演奏するまではこの作品を見なければならない」という使命感に打たれた感覚は間違っていなかった。数々の作品が跳梁跋扈すガールズバンドアニメ史の中でも綺羅星のごとく輝く傑作だったと思います。
3DCGの特色を最大限活かしつつ、その中でもキャラの動きとか表情に手描きのニュアンスを感じさせる遊びもあって、アニメーションの歴史の中でも割とエポックメイキングなことやっているのではないか。演奏シーンのモーションキャプチャーも見ていて心地よいリアルさで、そんなライブシーンを3次元的なカメラワークで非常に外連味あふれる見せ方をしてくれるのもすごい。
そして決して生ぬるくないキャラクター描写も魅力の一つでしょう。みんなちゃんと高校中退とかしてる。主人公がしっかりめに性格がひねくれていてそれが最後まで改善されないのもいい。周りの環境のリアルな嫌さと、そんな中で敵だと思っていた家族たちから実は愛されていたみたいな着地も、ともすれば陳腐になりがちなのに非常に現実味のある温度感で描写していたので普通に感動してしまいました。狂犬ぶりを一貫して損なわずともちゃんと成長を感じられるストーリー展開も普通に優れていると思います。
これでシーズン2がないとか嘘なので、ちゃんと作ってください。バンド優先でメンバー集めてそれを声優にさせてアニメ作るなんてヌルい出来にしかならなさそうなのにここまでに仕上げてきたのすごすぎる。恐るべし花田十輝脚本。
