このレビューはネタバレを含みます
女子版厨二病やらかしている作品。主人公の仁菜が多分にそれを背負っているが、とにかくムカつく。
3Dのアニメーション。違和感は極限少なく、キャラクターも可愛く見えて、造形がとにかく魅力的。なによりそれは、この作品の肝であるライブシーンで威力を発揮する。この見せ方はいままでチャレンジはあったと思うが、かなり完成形に近いものに昇華できているのではないか。ルパが好き。とにかく性格も含めてルパが好き。次点で桃香。すばるは造形好きだが、声が嫌い。まあそれはしょうがない。声優プロではないのだから。
なにより歌がいい。絶対的に良い。プロモーションを多分に感じるものの、近年、アニメーションの曲要素は魅力の比重が大きくなってきている。新曲、アニメで降ろした曲を配信開始など、とても今どきで、配信もそうだし、CDも買ったほどに楽曲のクオリティは高い。
とにかく仁菜が嫌い。なんでそう思うかと考えてみたが、同じ熊本出身、そして新幹線で東京に出てきた、バンドを目指していたなど共通点があること。そして、あの頃のガキみたいな自分を思い出すから嫌いなんだと思った。年を食って、そんな想いも、若い女の子やし可愛いやんと思うこともあるが、終盤までコイツが嫌いすぎて(そして周りはちょっとずつ問題を抱えているものの良い人間ばかり)見るのが辛かったが、10話「ワンダーフォーゲル(※登山用語)」である程度区切りをつけられた。ああ、制作陣はこれを狙っていたのか。やはり、家族との絆は良い。なので、コイツが嫌い、見てられない勢で途中離脱した(する)人は、とりあえず曲の良さで10話まで見ることを(先に10話だけ観てもいいかもしれない)おすすめしたい。
10話から11話見るとまあいいですよ、ええ。最高にロックしてる。
多分、Blu-rayや関連音源を買い漁ると思うのだが、仁菜が嫌いすぎて(前述のようにある程度昇華したものの)いまのところ様子見。なぜコイツがこんなに嫌いなのか、気に食わないのか。いじめ、内向的から楽曲に救われたということで、それを生み出したある種”神”みたいな桃香と出会えて、かつ一緒にバンドを組めるということになったのに、コイツは一切”リスペクト”が感じられないのがだめなのかもしれない。礼儀を欠くということであれば俺が年寄で老害、世間に飼いならされた犬になってしまったということで落ち着くが、たとえば自分の好きなIRON MAIDENに加入できた場合、スティーブ・ハリスをディスるや喧嘩をふっかけることなどできるだろうか。また、殴るという感情や反発を起こせるか。いや、状況的にそうなることも年月を経ればあるかもしれないが、コイツからは楽曲やアーティスト、あこがれの人へのリスペクトが感じられなくて違和感を感じているのかもしれない。そして、いじめられている人はこんなに強くなく、語らない。
気持ち的にはこの作品すごく気に入っているし、こういった音楽ものを好きな方にはおすすめですが、ドラマ、ストーリー部分において納得できないものがあることは否めないです。
ただ、何度も言うように歌とライブシーンは最高なので、何度も見返したくなる魅力はあります。次があるなら、ドラマ部分、キャラクター部分の心象風景をもっと肉付けして補完してほしいですね。
仁菜がガキすぎて辛い、それに尽きるのだと思います。なにしたいんだおまえ、と。いつも苦虫噛み潰した顔がムカつくし、感情がイライラする表現で赤と黒の線がほとばしる表現もイライラした。コイツ。最終話でぱぱぱっとやるのも納得しない。正義を振りかざすので周りがウザがるのは俺もそうだから、最終話でぱぱぱっと説得されないでくれ。と思う。若いんだからつっぱらかれ! と思いつつ、ラストはいいよ!! もういいわ、Blu-ray買うわ! 桃香が歌うバージョンが好きだわ!
本当は4点以上なんですが、カンマ1下げて3.9で。