Breminger

ガールズバンドクライのBremingerのネタバレレビュー・内容・結末

ガールズバンドクライ(2024年製作のアニメ)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

もう本当に大好き。文句なしで生涯No.1アニメ。
プロジェクトが発表された時はぼざろ旋風が巻き起こっていたのもあって、やっぱバンドものは出てくるよなーこれも楽しみだなーと思っていて、その後に発表される楽曲やMVもとてもクオリティが高く、「爆ぜて咲く」の破壊力は間違いないものだった。
3Dアニメということや、メインキャストはバンド・トゲナシトゲアリが担当するという未知さに不安はあったものの、そんなものは1話でどこか遠くへ行ってしまった。

1話ずつ振り返っていきたい。

1話「東京ワッショイ」
実家を飛び出して東京へやってきた井芹仁菜が、勇気を希望をもらった歌を歌った河原木桃香とで会うことから始まる1話。
仁菜が心を動かされた描写を世界が弾けて割れたように表現していたアニメーションと同じくらい自分も心動かされ、桃香さんの優しい表情やいきなり挑発していくところも含めてこの2人に速攻で惹かれていった。
その後の吉野家の流れで感謝の時には中指を立てるんだぜ?というどえらい知識を教えた桃香さんにより、店員さんに思いっきり中指を突き立てる仁菜というとんでもない絵面が誕生して、ここで腹を抱えて笑ったし、このアニメどこまで面白くなるんだろう?とどんどんのめり込んでいった。

Aパート終了直前に示される桃香さんが夢を諦めて実家へ帰ろうとするシーン、それを引き止めようとする仁菜、憧れの人の灯火を消してはならないと出会った場所で桃香さんを呼ぶ仁菜に応えるようにギターを掻き鳴らしに戻ってきた桃香さんと共に2人の新たな始まりの曲「空の箱」を演奏したところでこのアニメから目を離しちゃいけない、このアニメは本当にすごいぞと改めてなった。
桃香さんソロverでは哀愁を漂わせている楽曲だったのが、仁菜が歌うと色がバーっとつくように感情が増えていったのも1度で2度美味しい楽曲で鬼リピしてた。

ライブ映像のクオリティがとんでもなく高く、キャラクターの表情の豊かさも素晴らしく、日本のアニメーションの新次元をいってるぞこの作品と1アニメファンとしてとても嬉しくなった。

OPの「雑踏、僕らの街」の言葉数の多さにとんでもなく難しい演奏、まさかの2Dアニメでスタートするなど、いきなり意表をついてくる演出もさることながら、2Dのクオリティも素晴らしく、「爆ぜて咲く」の衣装でのカットやまだ見ぬ衣装のカットもあったり、どのシーンも妥協なしの見どころ満載OPで最高だった。
EDの「誰にもなれない私だから」は優しいメロディと言葉で包んでくれる爽やかな曲で、映像もこれからの本編を意味してるんだろうなという映像の連続で、ここからどうなっていくんだろうとワクワクが止まらなかった。これが良い意味でのちに裏切られるとは笑

2話「夜行性の生き物3匹」
いきなり二日酔い桃香さんから始まるトイレ主観ショットという謎なスタートから始まるものの、何もなかったように2人で多摩川を見つめて一時の別れを告げて始まる2話。
予備校通いの生活の中で、誰とも喋ってない(ここ強く共感した)ことに気づいて寂しさを覚えていたところに桃香さんからの連絡があり、桃香さん宅へ向かったら野生のドラマー・安和すばるがいて人見知りを発動してしまう仁菜、そこから一緒に飯に行ってもドギマギしてしまって、その態度を見かねた桃香さんが軽く喝を入れてくれるものの、仁菜はその場から帰ってしまったりと、幼さと未熟さが出てしまったりと色々と大変なことに。
そこから出会ったサラリーマンにライトを振り回して破壊しまくるというトンデモ行動をしてしまうものの、何故だか分からないけれど愛おしく思えてきて、帰ってからライトを付けられずに「ライトも自分で付けられないのか」と泣きじゃくる仁菜に等身大の少女のようなものを感じて、じっくりしっかり強く育つんだぞーとなっていたところにやってきた桃香さんとすばるちゃんが励ましてくれて(大笑いしたすばるちゃんのくるぶしを初手で蹴る仁菜は一体何者なんだ)、それでも目一杯泣き喚く仁菜にフフッとなった2話だった。

3話「ズッコケ問答」
初手で作曲アプリにハマっている仁菜とそれに共鳴するように鳴くハトという面白ショットから始まり、それを咎められたりしながら進む中でやはりすばるちゃんへの人見知りはまだまだあって、なんとか和解したいすばるちゃんとの睨み合いが始まるも、すばるちゃんが本当に良い子で本当に包容力のある子なのもあって、あっという間に心を開いた仁菜がこれはこれは愛しい。

3人の仲が深まってからの音合わせで得た快感が3人の表情に表れていて、バンドで音合わせやる時って気持ちいいんだよなぁ!って感覚が蘇ってきた。

ライブパート、ここで"脚本 花田十輝"の名前が出てくるとライブが始まるという法則性に気づいてワクワクし始めてからの「声なき魚」。
まさかのめちゃカワ衣装で登場してきた仁菜が吹っ切れまくってるけどそれをいなしてから始まる新曲がたまらなくカッコよかった。
ロック全開のアッパーチューンで楽曲や言葉選びもさることながら、アニメーションのクオリティがとんでもなくて、ぐるぐる回るカメラワークから仁菜が棒立ちからパフォーマーへと昇華していく流れもとても好き。
3人それぞれの表情もライブ中ならではの活き活きとした表情で演奏しているのも最高で、これでまた一つピースが揃ったんだなぁと早め早めで感慨深くなった。

4話「感謝(驚)」
すばるちゃん回。
役者としての自分かドラマーとしての自分かの葛藤に揺れるすばるちゃんを後押ししてくれるのはやっぱり仁菜。(桃香さんは思いきっり小突かれた笑)
大物女優・安和天童の孫としての自分の在り方に迷いつつも、徐々に安和すばるとしての個性を発揮していく成長の見られる回なのがとっても良かった。

つい数話前までは距離があったのにグッと近づいて小言もたくさん言える仲になってる事にフフッてなりながら、エチュードを通して自分の想いを伝える仁菜に思わず怯んでしまうすばるちゃん(桃香さんの演技は置いておいて)は見事に振り回されるけど、腹割って2人で話せる様になったのは一種の成長なのかなと思う。
高速スマホ連打は面白すぎるぞ〜。

中々女優を辞める覚悟を口に出せないすばるちゃんの手を引っ張って抜け出す仁菜の可愛いワガママにドラム叩きながらめっちゃキレるすばるちゃんがたまらなく良いっ!
正論モンスターとお目付け役にグサっと釘刺して自分自身の覚悟を決めてからの笑顔ほど美しいものはない、この回以降のすばるちゃんの聖人っぷりは開花していくのだ。

5話「歌声よおこれ」
ダイダスとの関係性が描かれ、新たな展開へと突き進む転換の回。

居酒屋の喧嘩、いやーシンプル迷惑なんだけどアニメでしかできない事だから楽しんで見れちゃった。
お互いの飲み物をぶっかけ合って、本音言いまくって、間にいたすばるちゃんをムカついたという理由でビシャビシャにする仁菜の鬼畜っぷりに好き度がマシマシになった。

練られに練られて生まれた新曲を携えて、バンドマン男に軽く悪口を言われてもそれさえも着火剤にして音楽のパワーにしていく新川崎(仮)はたくましすぎる。

「視界の隅 朽ちる音」。トゲトゲの中で1曲選ぶならどれ?と聞かれたら間違いなくこの曲と答えるくらいにはリピートしまくってて大好きな1曲。
爽快なバンドサウンドから呂律が回らないレベルで繰り出される言葉数に圧倒されながら、テンポの速い演奏にも圧倒されて感情が大変だった。

映像面も「声なき魚」からさらにレベルアップしてきて、ライブハウスならでの臨場感や近さを追体験できるハイクオリティな映像が最高すぎた。
演奏の仕方がモノホンそのままなくらいリアルで、細かいところまで描いてくれてるおかげでテレビ越しのはずなのにまるで会場にいるかの様な感覚に持っていってくれる映像は凄まじかった。

6話「はぐれ者讃歌」
ついに智ちゃんとルパさん合流、中々時間はかかったけれどついにトゲトゲ揃うぞ〜とワクワクワクワク。

2人で住んでる智ちゃんとルパさんの宅録の様子から、過去に組んでいたメンバーとの確執や、武道館を目標にしている旨などが一気に語られ、新たなステージへ向かうために新川崎(仮)と合流する流れがとてもいいね〜ってなった。

若干桃香さんに不穏な雰囲気が流れつつも、それを汲み取るすばるちゃんと、やはりガムシャラな仁菜がやんややんややってる中での吉野家店員さんからのスカウトから進むお話はコミカルに進みつつも、それぞれの音楽性が合致して目標を定めていくという、本格的にバンドとしての形が作られていく過程大好き人間だからとってもワクワクした。

ついに揃った5人で奏でる「視界の隅 朽ちる音」が琴線に触れるという言葉の映像化として見事なまでにカラフルになって、それでいて音の厚みが増すというのにも繋がってるからおったまげた。
桃香さんの纏う色だったりと次回以降に起きる何かを予感させる様な終わり方から行くEDはいつも以上にゾワゾワするものがあった。

7話「名前をつけてやる」
ついにバンド名が決まるのか〜そして遠征だ〜とバンドマンらしさが出てきた回で、桃香さんの動向が怪しくなってきつつも、上京したての桃香さんがお世話になったミネさんの元へ向かうお話。
初っ端桃香さんのポンコツっぷりが垣間見えて、ルパさんの何でも屋っぷりが垣間見えてとそんなにない尺の中で大人組2人を描ききっててむっちゃ良かった。

当の桃香さんは居酒屋でむっちゃ飲んだくれてて、聴いたことのないふにゃふにゃ声がたまらなく可愛くて守りたいという名の母性が出てきてしまった。
仁菜の股からばぁ〜っと現れてウザ絡みしたりと本当に酔いが回ると大変な変態になってしまうんだと確認してしまった…。

ついにバンド名を言うのか…!と思ってドキドキしながら見てたら前の方にいたお客さんのTシャツを見て思い付きで"トゲナシトゲアリ"です!と言い切った仁菜の肝っ玉よ…。

今回のライブはどんな曲を演奏するんだろうと思っていたところに飛び込んできた「名もなき何もかも」。
ガルクラそのものの始まりの1曲をここでぶちこんでくるか〜と初期から曲を聴いてた身としてはグッとくるものがあった。
楽曲も音源とはまた違うライブハウス仕様の音響と言葉の詰め方がされていて、この細かなアレンジが好きすぎるぞ〜とMVとはまた違う良さを醸し出していて最高だった。

そこからの仁菜の予備校辞めます宣言。あの嬉しそうにジャンプしてたのは予備校辞めたるわ!という確固たる意志の元だったんかいと笑ってしまうと同時にすばるちゃんと全く同じリアクションしちゃった。
これは次回大波乱だ…。

8話「もしも君が泣くならば」
ガルクラの中でもぶっちぎりで泣いた回は8話かも。

初っ端から桃香さんと仁菜の悪い空気が流れて、PAで思いっきり胸ぐら掴んで言い争ったりと、1話で見せた運命の出会いとは何だったのかレベルの変化に良い意味で戸惑いながらも、それを誤魔化してくれるすばるちゃんLOVE…。

ダイダスのライブ会場へ出向き、自分自身の覚悟だったりを打ち明け、仁菜に夢を託そうとするけれど、そこは正論モンスター井芹仁菜、引くわけがなく桃香さんへストレートな言葉を感情全部ぶち込んで、感情全部曝け出して自分の人生を彩ってくれた最大の恩人を引き止めようとする涙は理名さんの演技の凄さも相まって圧倒されっぱなしだった。

そこからの軽トラで脱走してクラクションを鳴らしてと最後まで抵抗し続ける桃香さんの手を何がなんでも離そうとしなかった仁菜の一途な思いが美しすぎるし、ダイダスメンバーへの宣戦布告も良すぎた。

車に乗って帰路に着く2人、スッキリサッパリした2人が交わす会話は強い決意が感じられて、ふとした優しい仁菜の言葉に思いっきり号泣する桃香さんの泣き顔には見事にやられ、それを察して2人の出会いとはじまりの曲「空の箱」をボリュームアップで流す仁菜の行動がイケメンすぎて惚れた。
なんやかんや心配してくれてた智ちゃんにスタンプ1個で解決をご報告する仁菜がらしさ全開で、呆れながらも一安心してる智ちゃんとルパさんに愛を感じたし、破天荒2人をおもしれー奴らだわの一言で片付けてくれる聖人すばるちゃんで締めくくってくれるの最高すぎて情緒が大変な事になった。
本当に出会えて良かったと作品内外で何度も思ってしまった。

9話「ワンダーフォーゲル」
仁菜帰省回。 
家族問題はこのまま放置かな?と思っていたのでそこを回収してくれたのは良かった。
宗男が頭の固い人間なのかなと思っていたけれど、どこか娘と向き合うのが苦手な超不器用なお父さんだったという事に宗男〜ってなった。

いじめになった際の学校の対応に苦言を呈しつつも、このまま無事に進学するためと苦虫を噛み潰す気持ちで受け入れた宗男とそんなもん飲み込めるかー!と勢いそのまま飛び出して「空の箱」を放送室ジャックで流した仁菜の対比もこれまた良かった。
自分を信じるという事をここまでできる人なんてこの世に何人いるんだと言わんばかりの熱を仁菜はここでも見せてくれるので仁菜は凄い子だと何度口に出したことか。

タイトルの通り"ハローもグッバイもサンキューも言わなくなって こんなにもすれ違ってそれぞれに歩いていく"と言葉を直接伝えなくても相手に良い意味でも悪い意味でも気持ちを届けられる世の中になったからこそ、2人で顔合わせて気持ちぶつけて、決意をして再び飛び出していく仁菜を応援してくれる家族の姿には見事に泣かされた。
川崎の地で待っていた4人、桃香さんは熊本まで迎えに行こうとしてたくらい心配してくれていて、直近失ってたお姉さんぽいところが復活してくれて何より。
再び5人揃ってのトゲトゲ、これは間違いなく最強。

10話「欠けた月が出ていた」
智ちゃん回。
中々に壮絶な過去と、早めに動かなきゃと高校中退を決意した智ちゃんのバックボーンが語られていく(中卒4人目)回で、早めに行動ってところは自分もまさに感じていることだからこそその決断をして即動けるのは本当に凄い思う。

前半はむっちゃコメディで、エアコンが壊れて智ちゃんルパさん家のエアコンをぶっ壊して、すばるちゃん家へと乗り込む仁菜の暴れっぷりが最高だし、すばるちゃん家でのビールぶん投げ桃香さんは憑き物が落ちたくらい表情豊かにアワアワしてて可愛かった。
そんでもってルパさんの蹴り一発でドアをぶっ壊したりととにかく大暴れ。この蹴りで7話の仁菜の尻蹴ろうとしてたんか、ひゃー末恐ろしい。
そりゃ追い出すよねすばるちゃん。これは正しい。

誰かと一緒に作業するって事に危機感等々を感じてしまっているから本音が言えない智ちゃんのフィールドにズカズカ入ってくる仁菜には思わず感情をぶちまけてしまってより信頼度が高まる持っていき方がとても良かった。
桃香さんの曲の悩みも釘を入れてくれて、キメ顔の桃香さんで終わるってのもくぅ〜たまらんなぁ〜ってなった。

11話「世界のまん中」
ある種この話が最終話なんじゃないかなってくらいトゲトゲの、そしてガルクラの、そんでもってCGアニメの最高到達点へと駆け上がっていった11話。

新曲の調整に難航しつつも、フェスの出番が近づいてきたから現地へ赴き、ここでやるんだと覚悟を決める5人の顔には曇りなって全くない、さぁやるぞと言わんばかりの表情が満ち満ちていて最高だった。

いざフェスが始まるとまさかまさかのサプライズでのダイヤモンドダストの新曲「Cycle Of Sorrow」。
イントロからぎゃん好みでヤバ!ってなってからの疾走感のあるメロディにはアイドルバンドという名前をかなぐり捨てるかのような勢いがあってたまらなかった。
実際に応援していたバンドが今までのキャッチーな路線からガラッとロックを意識した楽曲を演奏した時の衝撃と近しいものを感じて懐かしさすら感じてしまうくらいにはダイダスの進化が最小限で最大値醸し出されていた。
最後にヒナが小指を立てるシーンなんか超絶宣戦布告でもうビリビリした。

と思ったらそれに応えないわけにはいかんでしょうという事でトゲトゲがこれまたエンジン全開で反撃してくるっていうのが最高。
ドラムのリハの映像という珍しいところからスタッフクレジットが始まって、軽快にリハをこなすすばるちゃんを色んな角度から叩く映像を提供してくれてドラムをやっていた身としてはワクワクした。そこからのマイクチェックがまぁキュートなこと。
序盤は美怜さん棒読みだなぁと思っていたけれど、地声の可愛さとすばるちゃんのキャラクター性も合わさってベストマッチだなと思っていたところにこのマイクチェックがきたもんですからそりゃこの破壊力!案件。
ルパさんのベースチェックはぶち上げてくれて、ダイダスの新曲を速攻ベースでカバーして煽っていくスタイルからの歪ませてくれてジャギジャギ響かせてくれてからの、問題なくて「ありません!」がこれまたキュートだった。
5人踏み揃ってのフェスの大舞台、桃香さんが勇気づけてくれて泣いちゃう仁菜が愛らしいし、舞台裏からステージへと向かっていく5人(智ちゃんは行く方向間違ってたけど)がカッコよく、そこから仁菜がギターを掻き鳴らしてからの「ギター弾けません!」で一本取られたけれど、実際にこういうインパクトを残してくれるバンドマンがいたら速攻で虜になっちゃう。

「空白とカタルシス」凄かった。
ベースがメインで始まるトゲトゲの楽曲のロック性が尖りまくっていて痺れて、楽曲の難易度もこりゃあヤバいぞってくらい全部の楽器が速くて叩き込まれる音に圧倒されっぱなしだった。

映像面、もうこれは最高到達点+αだろうってレベルの暴れっぷりで、とにかくステージをドローンの如く動き回って撮りまくるし、仁菜が戦場を生き抜いてきた熟年のロッカーの如くたくましいパフォーマンスをしてくれるので、本気で今まで見てきたボーカルの中でこの子が1番カッコいいと思ってしまうくらい凄まじかった。
1番だけではなくフル尺というエグい続きからのMV風のライブ映像なのもあって、5人それぞれの過去を示しながらも、それに抗うためにはロックが必要だと咆哮しながら入る桃香さんのギターソロ、あなた序盤でちょっと控えるとか言ってましたやん!むっちゃ主張してきますやん!最高ですやん!って感情が大変なことになったし、「名もなき何もかも」では暗い表情だった桃香さんがむっちゃ眩しい笑顔で演奏していて泣いちゃった。
仁菜が胸張ってラスサビへと突入するところなんか鳥肌立ちまくりでヤバかったし、この映像のクオリティを醸し出すためにどれだけの人が携わったんだろうと人の熱をこれでもかと感じるハイレベルさには頭が上がらない。
「世界のまん中」のタイトル通り、まん中に真っ直ぐに突き抜ける光と共に出てくるタイトルが最高だった。
序盤で桃香さんに何かあったのか!?と思わせるセリフだったけど、桃香さんとの一つのゴールに辿り着いたからこそ出たセリフで一安心一安心。
鳥が5匹飛んでいく順番が2匹(仁菜と桃香さん)→1匹合流(すばるちゃん)→2匹合流(智ちゃんとルパさん)っていう細かなこだわりも大好き。
ノリノリ宗男も好き。

すべての映像技術をぶち込んだハイクオリティな映像にはもう涙もんよ。最高。

12話「空がまた暗くなる」
フェスでとんでもない爪痕を残してからの事務所入りで一気にスターダムへ!とはいかないのがガールズバンドクライ。

レコーディングもはじまり、給料も出て、一端の社会人として、バンドマンとしての生活の中で、楽曲も期待されながらも有頂天にはならず、あくまで自分たちのスタンスを貫くという覚悟の元に前を向いてるはずなのにタイトル通りどこかにモヤがかかっているようで明るくはなれない様子はとてもリアルだった。

ダイダスとの対バンという知名度を上げるには打ってつけのイベントが舞い込んできたけれど、自分たちの立ち位置だったりに葛藤する中、あのヒナがいるバンドと?と反骨精神が出てきてしまった仁菜が対バンを断ろうとする流れ、新川崎女学院の頃からすっかり変わったなぁと娘を見ているかのような成長を感じ取れた(自分の意見ゴリ押しではあるけれど)。
インディーズからメジャーに行った事によって成功するバンドもいれば、大人の事情に振り回されて方向性を見失ってしまうバンドもいるという事をダイダスの現在を見て思うところもあったんだろうなとなった。

新曲「運命の華」がリリースされ再生数を確認すると103回再生。理想ではなく現実をここで叩きつけてきたけれど、綺麗事では終わらせない姿勢もこの作品の魅力だと思うので辛いけど見事な最終回への繋ぎだなと思った。

13話「ロックンロールは鳴り止まないっ」
駆け抜けに駆け抜けたガールズバンドクライの最終話。

新曲の再生数が伸びない事に悩む仁菜が葛藤しつつ、それでも自分たちの行き先を求めて活路を見出すという王道な未来への繋ぎ方は一周回って新鮮に思えた。

ここで数話棘を潜めていた仁菜もといトゲナシトゲアリの棘が発動し、事務所を辞める決断をするのはロックだわ〜となった。
大人の世界に私たちは染まらないと言わんばかりだけれど、突発的でも衝動的でもなく、前向きにトゲナシトゲアリを進めていくという覚悟の元に決めたという彼女たちの熱にはもう拍手もん。本当に肝が座ってて凄い。

9月に実際にライブをするCLUB CITTA'でのワンマンはそこまで人も入らず、現在のトゲナシトゲアリというのを見せつけられてもなお挫けずにライブにオンステージする彼女たちは本当に強くなったんだなぁとどの目線で見ればいいか分からないくらい思いが強くなっていてライブ前なのに泣いてた自分がいた。

「運命の華」の桃香さんの吹っ切れっぷりがこれでもかと歌詞に出てる楽曲は初めてだわ〜と嬉しくなったし、同時に今までのトゲトゲの楽曲とは毛色が違いすぎるから受け入れられない人も多いんだろうなと一緒に感じる不思議な楽曲。
だけど桃香さんの純粋な言葉が煌びやかと共に楽曲に詰め込まれているからこそ、このバンドはもっと大きなステージへと駆け上がっていけるというのも同時に感じれて爽やかな1曲でとても大好き。
全員足並み揃えて進んでいく1曲だからこそみんな晴れやかな笑顔だし、13話分、そしてそれよりも前の桃香さんの音楽全部詰め込んだからこそ出せる大団円はこの作品だからこそ描けたんじゃないかなと思えてとても感慨深かった。
欲を言えばフル尺でサビ前盛り上がるところも込みで見たかったけれど、それはあまりにも贅沢な事だし、ならばリアルのライブを見に行こう!って事だから楽しさはまだ残っているんだ(なおライブの倍率エグい)。

余韻なんていらねぇ!と言わんばかりにありがとう〜!と画面越しの自分達への感謝を送ってくれた時にはもうヒッグヒッグ泣いてた。こんなに一つの作品で泣いたことないんじゃないってくらいには涙を流してた。

ずっと劇中で起きることなのかなと思ってたEDはその後のトゲナシトゲアリのお話というのも明かされ、ここから全国を5人で駆け回っていくんだろうなと思うと夢が膨らむし、すばるちゃんが髪を切った理由を本当に知りたいんだよなぁ〜と強烈なに思いながら次回予告のないまま終わって、あぁ最終回なんだなと実感してしまった午前1時。

"なんてことないあとがき"
出会ってくれて、出会わせてくれて本当に感謝が尽きない作品。
ガールズバンドものが多くなってきた昨今、その均衡を打ち破るかの如く出てきた最高で最強なロックの物語に心も体も動きっぱなしだった。
1つのバンドの生き様をリアルタイムで一つも見逃す事なく見れて最高だった。
これからもこの中指と小指を掲げる限り応援し続ける。本当にありがとう。
劇場の大スクリーンで観たいなぁチラチラ。
Breminger

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