けっこうエピックなすごいアニメ。国産のCGアニメーションは、ピクサーの劣化コピーか、アクション作画の省エネ化目的のやつしかみたことなかったから苦手だったけど、これは漫画的な二次元の動作とコンピューターグラフィックの立体を、違和感なく両立させている。
二次元キャラの3Dモデルがきれいに動く。身体の動き、仕草や表情、どれをとっても、日本の二次元アニメにしか出せない質感。一昔前のMMDなどの同人活動から盛り上がっていった技術が、近年のVTuber人気によってさらに発展していって、こういった表現に結実していったんだと思うと、熱いものが込み上げてくる。
すごい。日常会話ののほほんとした違和感のなさも。バチバチに決まったライブシーンの躍動感も。当然、一昨年のTHE FIRST SLAM DUNKの成功も踏まえた企画なのだろう。
でありながら、単純な萌アニメの枠に収まりきらないクセのあるキャラクターを描いている攻めの姿勢が、まさにロックンロールの精神を体現しているな、と。
ロックとは、性格が悪い。牧歌的なぼっちざろっくには、描かれなかった部分。学校に友達がいないんです…とかじゃなくて、普通に息吸って吐いて生きてるだけなのに同学年の友達が離れていくようなやつがロックなんです。
そういうのが、流れ流れて最終的に街の薄暗い場所に居場所をみつけているだけであって、ロックンロールに適正のある奴ってのは、人間として欠陥がある場合が多いんだぜってことをちゃんと描いてる。
「自分がない」ことにコンプレックスがある人は多いと思うけれど、「自分がありすぎる」のも考えものなわけでして…。
主人公は、かなり面倒くさいやつだけれど、こういう社会動物としてのなんなかんやが足りない人間が、案外詩人だったりするから、たちが悪いのです。
そういうのが寄り集まって、みんな納得し得ないまでも相手を容認し、ちょっとずつ受け入れあって成立する関係だってある。これは、「友達」じゃない。「仲間」ってやつです。
コロナで存続が危ぶまれた地方のライブハウス。また、どこかでこういうドラマが生まれるといいなって思います。
【※】
ちょっとしたセリフひとつとっても、すごくいい。
「ビビるな!上手くいこうがいくまいが、成功しようが失敗しようが、お前はどっちにしろ後悔するんだ。そういう性格だからな。」
これ、似た者同士だから言えるんだよな…。ぶっ刺さると同時に、こういう嫌なことも面と向かって言ってくれる人がまわりにいることって、本当に有り難いことだわねと思うわけで…。
主人公のような性根が終わってる人間は、こうやって受け入れてくれる人がいるから、なんとか辛うじて社会にポジションがあるってこと。悪態を許してくれる相手を大事にしなきゃいけない。許容してもらっているのだという謙虚さ。それを忘れちゃいけませんね。