このレビューはネタバレを含みます
冷静で斜に構えたところのある主人公・黄前久美子の心情が、特に高坂麗奈との関係性を通して少しずつ変化していく様子が非常に丁寧に描かれている。
キャラクターが脚本に喋らされている感がなく、キャラクターの内側から出てきた言動が、ドラマチックな場面を生み、それらが積み重なることで物語が浮かび上がってきている。
独白が印象的だが、決して説明的にはならず、むしろ久美子(あるいは他のキャラクター)自身もはっきりとは理解できていないような感情を行間と演出によって表現している。それゆえに、12話で初めて久美子が感情を爆発させるシーンのカタルシスが生まれている。