京都アニメーションの青春大河ドラマ、ついに完結。あらためて本作は黄前久美子の成長物語であったことがよくわかった。思い描いた理想のとおりには行かなくても「悔いはない」と言い切れるほどの視野を持った久美子が選んだ道が最後に示される。
2015年から足かけ9年をかけて完結したわけだが、途中、京都アニメーションは筆舌に尽くしがたい悲劇に見舞われ、シリーズ関係者たちも落命した。想像を絶する苦境に立たされながらドラマを紡ぎつづけゴールしてくれたことに、本作と同じ地元で育った者の1人として、心からの敬意と感謝を表したい。
ラスト数話は毎回息が詰まるほどの緊迫した展開が続き、ハラハラさせられた。最終話での久美子が発した「悔いはない」の一言は、劇中で3年、実世界時間で9年という月日を凝縮して総括する、大変に重い言葉だ。そして久美子はこの言葉を次の世代に引き継いでいくであろうラストがまた見事だった。満点。
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