見始めた瞬間に背筋がピンとなるような感覚。全編に渡る緊張感。このアニメはスナック菓子を食いながら適当に見るような娯楽じゃないと、画面から訴えかけられているかのようだ。
多くの人が好ましくないと感じるであろう人間像の黒江真由。どこか感情が読めず不気味さすら感じさせる彼女の、感情的な面が露わになっていくにつれて、その不器用な生き方の中に潜む芯の強さが、かっこよく思えて好きになってしまった。
12話、13話、久美子、麗奈、真由、それぞれの思いが交錯するかのような回。そして最後のコンサート。演奏を邪魔しないように画面の前で声を押し殺して泣いた。
あまりにも短い3年間。まるで自分のことのように学生生活が愛おしい。まだ卒業したくない、物語を終わりにしないで欲しい、そう思えるほどに素晴らしく心を打つアニメであった。