※原作未読
久美子が部長となった高校吹奏楽部の集大成、そしてその先の未来へと向かうフィナーレ。
過去シリーズと同様、人間ドラマにもフォーカスされた物語。久美子が部長の立場になったことで大人数の部員をまとめ上げる責任感を負い、部長としての自分と本心の自分の間で揺れ動き、人間的な成長が描かれる。
さらにそこに転校生の黒江が登場することで物語をかき乱れる。
特に印象に残るのはアニメオリジナル展開で話題にもなった全国大会に向けたオーディション。かつて麗奈が悔しがっていたあの日、特別になりたいと口にしたあの日をを想起させる描写。これまでの積み重ねはこの第12話のためにあったんだと思わされた。
映像面は京都アニメーションらしい繊細な芝居作画に、決めのカットでは髪の表現やライティング・撮影処理によって情報量を足してより印象的なものに仕上げている。作画描かれた楽器とそれを演奏する手元の動きも細やか。
そして何より久美子役の黒沢氏の演技が素晴らしい。この人以外に考えられないという位のハマり役でこれまでの積み重ねからなる演技はは込み上げてくるものがある。
お気に入り話数:3、7、8、10、12
放送開始から9年、全ての制作スタッフに感謝。