このレビューはネタバレを含みます
中学生で吹奏楽部員だった頃にこの作品に出会ったため、今日まで久美子達と共に成長してきたという感覚がある。
だから、言葉では言い表せないくらい感情が揺さぶられて、どうにかなりそうだった。
今回のコンクールは大会ごとにオーディションを行うため、常に部内に緊張感があり、見ていて苦しくなる。あ゛あ゛あ゛あ゛!!!!って叫びながら全力疾走したくなるような、青春のいろんな感情が伝わってきた。
作画は相変わらず目を奪われる美しさで、夏祭り山頂での久美子と麗奈のシーンは3年目も最高。
久美子「麗奈は"特別"だから」
友達でも恋人でもない、特別という表現がしっくり来る。
12話を観たあと、大泣きしながら書いた文章↓
普通のスポ根作品なら、最後のユーフォのソリは、ぽっと出の転校生ではなく、北宇治で努力を重ねてきた主人公の久美子が吹くと思う。努力をした人が報われて、栄光を掴み取ることが良しとされているから。
しかし響けユーフォニアムでは、転校生黒江真由が選ばれる。これは久美子、真由どちらにとっても、バッドエンドでもハッピーエンドでもなくて、人生のひとつの過程にすぎない。
才能・実力があっても、なくても、苦しくて、皆が自分の中で妥協しながら生きていると思う。
スポ根作品を見ると、努力もせずにのうのうと生きている自分を叱られている気がして嫌になる。でも、ずば抜けた才能がなくて努力ができない私でも、自分なりに悩んだり頑張ったりして生きている。
響けユーフォニアムは、人生にもがく過程に焦点を当てていて、何者にもなれない人生をも肯定してくれる作品なのではないか。
久美子と一緒に、私も立派な社会人になれるように頑張ろう…。