タイム・パトロールぼん 2期目を観ていました。
ここから主人公本の相方は安川ユミ子に変わるのですが、ユミ子は原作とは異なり1期目から主人公と同じ学校に通う知り合いとして何気なく登場していました。タイム・パトロールの仕事以外の場所でぼんと接点のある事が原作には無い新しい展開を呼び起こすのかと思いきや何にもありません。単純に1期目にも出番を与えたかっただけのようです。
原作は何十年も前に読んだきり記憶の中にしかありませんので比較が難しいのですが、2期目の方がオリジナルの要素が多めの印象があります。また各話ごとに専門の考証がついているおかげでより詳しく歴史の勉強ができます。
原作は明確な最終話を持っていなかったのでこのア二メーションシリーズの最終回はオリジナルです。未見の方の為にネタバレはしませんが、テーマを前面に出して1期と2期とを上手くくっつける良いまとめ方のように思いました。
しかし歴史改変に影響のない範囲で人の生命を救うという職業を描いたこのシリーズのテーマというのはいったい何なんでしょうね。生命は大事とか歴史というのは素晴らしいとか時間は大切な積み重なりなのだ、みたいなふわっとしたことを言っているのですが、よく分かりませんでした。原作にはそうした感動的なまとめは語られていなくて、全体として歴史上には現在とは全く異なる倫理観、価値観が厳然と存在しているという事実のみが淡々と語られているように思いました。歴史上に登場する多くの価値観、倫理観というのは登場人物達の生命を簡単に奪い脅かします。それを目の当たりにする事は我々が当たり前だと思っている現在の価値観、倫理観というものがどれだけ脆く壊れやすいものであるか、思考を誘ってきます。
ところで原作のユミ子隊員の髪型というのはサザエさんの髪型みたく、「現実にはあり得ないけど漫画表現としてはあり得る」感じなのですが、アニメではちゃんと現実でもあり得そうな髪型に変更されていました。