コムギ

フリップフラッパーズのコムギのネタバレレビュー・内容・結末

フリップフラッパーズ(2016年製作のアニメ)
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このレビューはネタバレを含みます

神話や映画・アニメなどのオマージュとパロディをこれでもかと散りばめながら目まぐるしく移り変わる夢の世界を舞台に、なんでもありの展開と超絶作画で魅せるハイテンション不条理百合アニメ。
普通の学校に通う内気な少女ココナが謎の少女パピカと出会ったことで、2人の“ピュアイリュージョン”という夢の世界への冒険が始まる。

制作者の趣味趣向全開で引用されるモチーフは膨大だが、この作品を根底から支えているのはごく普遍的な“わたしとあなたの物語”であるので引用元の大半がわからずとも(少しでもとっかかりになるモチーフがあれば)楽しめるようになっているというのはエンタメとして強い。
加えて作画や背景美術にテレビシリーズとは思えないほど力が入っていて画面がとにかくリッチな仕上がりなのでビジュアル面だけでも楽しめることは間違いない。音楽もリッチな画面に負けず劣らずバラエティに富んでいて素晴らしい。

第1話で出てくる巨大な虫が最終話で羽化して蝶の姿になったり、2人のコスチュームにも蝶があしらわれていたりと繰り返し描かれる蝶のモチーフから「胡蝶の夢」を連想するのは容易い。

最終話の後半。“ピュアイリュージョンでココナが見た夢”として描かれる世界は、彩度が抑えられ街並みや景色も現代の日本のよう。ファンシーな見た目だったはずのココナが飼っているユクスキルが普通のウサギのように描かれているのも衝撃的。
この夢の世界でココナはパピカと再会し無事“ピュアイリュージョン”へと戻り最終的に元の世界へと帰還するが、はたして。
前述の「胡蝶の夢」を踏まえると、あのココナが見た夢の世界こそ本物の現実の世界ではなかったのかという疑惑を否定することはできない。でも、どちらの世界が現実でどちらが夢なのかという問いにはおそらく意味がない。
なぜなら“わたしとあなた”2人で見ている世界こそが、きっといつでも本物なのだから。

「一緒に行こう!ココナ!」
「うん!パピカ!」