水不足の砂漠の国サンドランド。保安官ラオは悪魔王子ベルゼブブと魔物シーフと共に「幻の泉」を求め旅へと向かうアドベンチャー。
原作は鳥山明先生。先生曰く”老人と戦車を描きたい”と短期集中で描かれ単行本で1冊という分量ながらもポップで美麗なイラストに綺麗に纏まったストーリーが魅力の作品でした。2000年に執筆された作品ですが2024年7月現在でも古びていないデザインはさすがというべきでしょう。
2023年に映画化し本作は新たに映画部分に別物語を足した半分新作というか完全版というべき内容になっています。前半の幻の泉捜しはゲジ竜うの追跡、ラオの戦車バトル、第三者勢力スイマーズとの絡みなど面白い場面も多いのに冗長なテンポよく話が進んでいきます。虫人間とベルゼのバトルも過剰すぎずにゼウ大将軍との決着をキチンとつけるところが見どころです。ラストも爽やかなものでした。で後半のフォレストランドを舞台にした『天使の勇者編』は反乱軍と政府軍の闘いになっており前半に比べて空中要塞ガラムを中心に「ペ天使」とのバトル要素が盛り上がっていました。前半と比べてアンというヒロインがいることで華もあることも特色。
こうやって視聴するとメカデザインが秀逸なのは言うに及ばずですが魅力的な登場人物たちでも人数を過剰に増やさないことで物語がシンプルに分かりやすくなっていることが分かります。ベルゼとラオとシーフの3人旅のバランスは特に良くまだまだ観たいのに終わってしまう爽やかさが鳥山明先生の持ち味だと思いました。
本作は既に亡くなった鳥山明先生からのコメントもあり感慨深いものがありました。『Dr.スランプ』や『ドラゴンボール』のみが注目されがちですが本作のような作品を見るにやはり偉大な漫画家を喪ったと思わざるを得ません。