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機動戦士ガンダム 復讐のレクイエムのNowLoadingのレビュー・感想・評価

4.0
 本日のアニメシリーズを一本。

 ネットフリックスにガンダムが来る。しかも「MS IGLOO」スタイルのフルCGでだ。通常CGアニメはアニメのデフォルメの良さや錯覚等のビジュアルが失われるものだからあまり歓迎されないが特にガンダムシリーズでは人気になるものも多い。一年戦争を名もなき1兵士の視点で補完してくれる。本作はその集大成となる一作だ。なんせバックにネトフリという頼もしいスポンサーがある。今回はCGアニメにUnrealEngine5を採用したことでゲームのムービーっぽくありつつもリアリティが素晴らしくなった。

 ザクを駆りジオンの地球侵攻に大活躍するレッドウルフ隊。主人公でリーダーのイリヤ・ソラリの強力なリーダーシップと死線を潜ってきた練度の高い隊員達がヨーロッパ戦線で攻勢を仕掛ける連邦軍と一進一退の攻防を繰り広げる。「連邦軍の新型モビルスーツ」が現れるその日までは…

 本作は全部で6エピソード、しかも1話に付き24分とTVアニメのスタイルなので合計144分と映画1本分として見れるのでイッキ見を推奨。本作において特筆すべき事はなんといっても連邦軍の新型MSガンダムを明確に「連邦の白い悪魔」として完璧に描かれている点だ。

 ガンダムは初心者から見れば味方で正義のロボットだ。ガンダムオタクことガノタからすればそれは誰しもが通る最初の一歩だがそれを見事にひっくり返し、あまりの情け容赦ない戦闘に恐怖を覚える。ソラリ隊の乗るザクは比較的運動性能は標準的なモビルスーツで実際「パシフィック・リム」のイェーガーのような鈍重の中にある俊敏さが魅力的だがその「白い悪魔」はまるでゲームのモビルスーツかのような驚異的運動性能でザクを蹂躙する。まるでターミネーターT1000のように。

 その「ターミネーター」のような鬼ごっこで初心者を作品としての面白さを的確に小出しにして最後まで持続的に飽きさせない迫力のバトルが描かれる。ガンダムビギナーでもなにしてるかはなんとなくわかるためとっつきやすくオススメだ。時間も短いし。

 一方で本作のスタッフらもガノタのために満足出来る作品をとして兎に角クセの強いモビルスーツが多い。連邦ジオンの主力戦車はもとより戦闘機同士の争い。今まで蔑ろにされた部分が本作では貴重なバトルシーンだ。さらにザクタンクやグフカスタムの大活躍など「第08MS小隊」へのオマージュが多くガノタにも文句のつけようがない。ただ、メカニックのパーフェクトな質感に比較すると登場人物の一世代二世代前の微妙なCG感はイマイチか。UnrealEngineならもっと高精細に出来るはずだから恐らくはワザと粗く作っているんだろう。

 敵の新型MSガンダムを以下にして倒すか。無茶振り任務をやらせれるゲームっぽい主人公ソラリ大尉の活躍を是非チェックしてみてはいかがだろうか。
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