このレビューはネタバレを含みます
序盤は正直往年のラノベラブコメ感が強過ぎてノリについていくのに苦労した。お兄様と呼んでくれる妹は主人公の頭の中にしかいないフェアリーなんじゃないかと途中まで結構本気で疑ってたんだけど、なんか商店街の人と普通に会話してておでれえたぞ。
ノリに馴染めなくても全話観終えられたのは焼塩檸檬ちゃんの見た目がドストライクだった事と、美術面での功績が大きい。そもそも今作に興味を持ったのだってLOVE2000のEDがちょこちょこ話題に上がってたからだし、全体的に作画パワーも高めで深夜にぼーっと観てても退屈しなかった。
つか焼塩檸檬ちゃんのED美しすぎね?褐色ボーイッシュ陸部幼馴染がドレス姿に変わるの見たくね?ちょっと1コマ毎に止めながらみんなでここがいいよねーとか語りたくね?市の体育館流そうぜ。
先の展開全く知らないからこの先どういうストーリーに発展していくのかは知らないが、この1期終了時点迄にヒロイン達が主人公に対する恋愛感情を視聴者側にすら明らかにしないのはラブコメ作品としてはなかなか珍しいんじゃないだろうか。まあすぐに温水に鞍替えしたら負け要素薄まるし気持ちが軽く見えるからこれで良いんだけど。互いが互いを恋愛対象として見てないこういう男女グループのわちゃわちゃ感も令和っぽいしね。俺は令和に詳しいんだ。
時間の経過による解決に甘えずに感情をみんなちゃんと自分なりの言葉で表に出せてて偉いね。負けヒロイン達の負け戦告白もそうだし、慰めに来た文芸部員達と焼塩だったり、部長会での小鞠と温水だったりね。
ちょっと温水が愚痴聞き屋さんとして酷使され過ぎな感じはあるけど、愚痴だってメンタルを健康に保つ上ではとても大切なことだと思う。
だからこそ温水ももっと個人的な感情を表出させてほしかった。基本蔑ろにされがち(担任から記憶されてないのあまりにも酷だろ)だし、陰口にショック受けるシーンもあったのに八奈見との関係性方面に話が移ってしまって温水の内面の深いところまでは知る事が出来なかった。
もっと知りたいな、ぬっくんのこと。