初恋は失恋に終わりぬ、学生時代の恋が上手くいかないというある種当たり前の設定を「負けヒロイン」というオタク用語で形容した発想がまず良い。妹とか先生とか、周りのキャラはぶっ飛んでいたけれど、そこでラノベっぽさ(?)を担保しているだけで、基本はストレートな青春譚なような。当たり前に恋愛しているというか。今のラノベ、今のアニメって若者の恋愛を割と普通に描くんだなとか思ってしまった(私が高校生だった15年ほど前でもあったのかもしれないけれど、たといば『とらドラ!』の手乗りタイガーなんかでも、もう少し現実離れした設定だった気もする。勘違いかもだけれど)。EDのアニメーションも実写混じり、ちょっと大人びた?リアル調の絵柄、落ち着いた水彩風とアニメアニメしてないし。曲が二昔前のカバー曲ばかりで、やっぱこれ見ているのって30代が多いのかなとも思った……。
「女の子が可愛い」と人に勧められていたけれど、たしかに可愛い。最初は個人的な好みで檸檬一択だろと思っていたけれど、最後まで見ると三人とも良くて迷う。主人公も没個性的なようでなんとなく憎めない感じもあり(終盤の部長会議前の小鞠への態度以外は)、しゃしゃり出る感が良い塩梅だった。各ヒロインとも矢印向いているんだか向いていないんだかってところも良い。水道水の味の違いとかいう変な知識もつぼった。失恋からはじまる点も含めて(あれは男主人公が失恋する側だが)、「アマガミ」なんかも思い出す。一気に見て、終わって少し寂しい気持ちがあるので、良いアニメ。