《洗練されたアニメに進化》
【"らしい"社会テーマ性】
90年代アニメシリーズの続編。初っ端から惹き込まれた。序盤ですでに「X-MEN」らしい硬派なテーマ性を構築。シリーズが発刊当初より伝えてきたマイノリティーや人種間のポリティカルコレクトネスは、いまだに時代とマッチ。劇中のミュータントたちと現実問題を照らし合わせる面白さが健在。
【アニメーション】
当時のシリーズの残念な点として低予算で作られたアニメーションがあったが、今作はデザインを受け継ぎながらもブラッシュアップされていて作画崩れがない。むしろ自分の好きなアニメスタイル。3Dでモデリングしてるんだろうか?線がしっかりとしていて、どこを切り取ってもカッコいい。演出面では、精神世界の表現や感情の伝え方・見せ方が映画的で芸術センスも感じた。
【特に好き】
・サイクロップスが本来のカッコ良さ。
・ジーン、ローグ、ストーム、彼女たちにまつわる物語が切なくて印象に残る。
・チャールズとエリックの関係性はやっぱり鉄板。
・ジュビリーとモジョーの世界。
・5話の衝撃。ドラマチック。表現もいい。演出最高。
・実写版の「黄色いスペンデックスでも着るか?」に対抗して「黒のレザーでも着るか?」のシャレたセリフ。
・そしてなにより、怒涛のラスト3話。壮大。スペクタクル。熱い。
【ただ】
群像劇ゆえに複数のストーリーが同時進行するのと、思いのほか複雑な物語展開なので時間を空けて鑑賞するとついていくのが難しいかも。
【総括】
「これぞX-MEN!」がたくさん詰まった作品。もともと90年代シリーズも同様のテーマ性はあったけど、今作はそれをじっくり描き、丁寧な描写と映画的な演出で更に進化。完成度が高く洗練された作品だった。MARVEL / MCUのドラマ・アニメシリーズの中でも一番好きかもしれない。