前半パートは力の抜けた異世界転生ものといった雰囲気で、唯一の盛り上がりどころである作画攻撃のシーンだけを楽しみに観ていました。ナウシカ、板野サーカス、しまいにはラストシュートまで、アニメ好きにはたまらないパロディ。次の元ネタはなんだ、という期待感のみで、その他のシーンはおまけという印象。
後半は一転シリアスな展開になり、なかなか面白いシュールな初恋のくだりを挟んで、書けなくなったナツコが解放される瞬間は意外にも感動的。初めての推しこそ初恋であり、原点かつ源泉。虚構への恋だって本物。終盤、「書くんだナツコ」という声の主が明らかになるところなんかすごくよいです。