16歳の初恋物語としては最高レベル。
ロミジュリとかウエストサイドストーリーっぽい設定なので、そっちでゴタゴタがあるのかと思ったら違いました。
身体がでかくて木訥なものだから周囲から怖がられることが多い凛太郎16歳は、パティスリーを営んでいる自宅のお客さん=小柄なかわいらしい女子=薫子と知り合う。
ところが二人は隣同士で犬猿の仲の、バカ男子校と優等生お嬢様女子校に通っていた、というどこかで見たストーリィ。
凛太郎の成長&初恋物語でもあるので、ずっと凛太郎視点で物語が進む。
それが最終話の後半、薫子視点でこれまでが語られるや一気に感情が大爆発。
最終話が良すぎて、最高すぎて。
薫子が自分の教室のカーテンを開けたら……のアレコレ展開の演出と脚本がもう神レベルで、全身が鳥肌が立つくらいに感動させてもらった。
それから先はもう泣けて泣けて。
いいトシしたオッサンというか爺いが、初恋のこんなアニメでボロボロ泣けるなんて、まぁキモイんだけど、仕方ないよ。
これが泣かずにいられるかって。すごいカタルシスというかデトックス。
薫子って、発言と行動がちょっとあざといというか、痛い感じがして、爺い的にはイマイチだった。
それが最終話で全部ひっくりかえって持っていかれた。
凛太郎は最近の主人公によくある自己肯定感が低すぎるヤツで、それは見た目と他人の目を気にしすぎる内面のギャップによるもの。
そんな内向性と外見が連動して、凛太郎は人と交わることができなかった。
高校に入って初めて友だちと言える存在ができ、信頼できる仲間たちと交わることによって成長するわけです。
そこに異物=薫子が登場して更に成長を促しちゃう。
アニメ中盤くらいでは、せっかくのロミジュリ設定が十分に活かされていない感じがしてイマイチかと思っていたんだけど、後半になるにつれて、このアニメに派手な展開はいらないと思うようになった。
美しい作画で、めっちゃ素敵な青春&初恋物語を堪能いたしました。
原作は未読。