レオ

ヴァイオレット・エヴァーガーデンのレオのレビュー・感想・評価

4.9
ドイツ周辺ヨーロッパ近代風の世界。戦場で優しい少佐に引き取られた孤児の少女兵、ヴァイオレットは最後の戦いで少佐と自身の両腕を失ってしまう。和平が結ばれ平穏が戻った世界で、ヴァイオレットは手紙の代筆業を始める。少佐が最後に残した「愛している」という言葉の意味を知るために...というストーリーのファンタジー。

ここ数年で見た連続アニメの中で、最高クラスの素晴らしい作品で、後半の殆どのエピソードで涙腺が緩んだ。

ヴァイオレットは花の名前で、花言葉は「愛」だが、この物語の大きなテーマもやはり「愛」で、戦場で武器として育ったために人の気持ちも自分の気持ちも理解できない主人公が、手紙の代筆を通して自分が少佐に与えられてきた愛、自分の少佐への愛に気がつくストーリーが主軸になっている。

また、サブテーマとして「大事な人の死」「戦争の悲惨さ」「プロとして仕事すること」などもあると思う。意外とアクションシーンもあったりするので、普通の感動ストーリーよりもメリハリが効いている。

信頼と実績の京都アニメーション制作で、映像面の美しさも飛び抜けていて、全て素晴らしいが、特に人工物、眼、髪、の表現は他に並ぶ作品が無いと思う。感動シーンを盛り上げる音楽や、物語とリンクした歌詞のOP、EDも凄く良い。

思えば、京都アニメーション自体の境遇ともリンクした内容という見方も出来る。彼らが負った傷は消えないが、彼が今までに作り、これから作る素晴らしい作品も消えないのだ。

手紙は素直な気持ちに加えて、書いた時の「伝えたい」という想いがあるので、言葉よりも気持ちが伝わる唯一の媒体だと思う。

見終わった後には誰かに手紙を書きたくなる、そんな作品。

■共通項目
脚本:☆☆☆☆☆
映像:☆☆☆☆☆
音楽:☆☆☆☆☆
役者:☆☆☆☆☆
キャラクター:☆☆☆☆☆
オリジナリティ:☆☆☆☆
個人的好き度:☆☆☆☆☆

■ジャンル項目(ドラマ、戦争、ファンタジー) 泣ける度:☆☆☆☆☆
応援したくなる度:☆☆☆☆☆
京アニへの感謝:☆☆☆☆☆
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