さうすぽー

ヴァイオレット・エヴァーガーデンのさうすぽーのレビュー・感想・評価

4.7
自己満足点 91点

―愛してるを、知りたいのです―

現在劇場版が公開されてヒットしているテレビアニメ。

大好きなアニメです。
戦争の兵士として育てられ、心を持たない存在だったヴァイオレットが「代筆屋」という職業を通じて心を成長と共に人との繋がりや「愛」を知る物語に惹かれ、素晴らしいアニメが多かった2018年の作品の中でもトップクラスにのぼるくらい大好きな作品です。

個人的には最初観るときは、内容よりもデザインや作画の綺麗さに惹かれて視聴してたのですが、次第に「思いを伝えることの意義」をテーマにした内容の方に心惹かれました。


1話では戦争を終えた直後の機械じみたヴァイオレットですが、代筆屋を通じて次第に人間の心が理解していくことで人間らしさを出していく様は観ていて凄くいとおしいです。


そして、代筆屋の修行を経て数々の代筆をこなしていきますが、中盤になるとヴァイオレットにとって大切な存在だった少佐の行方が解らない事が判明したり、戦争時代の自分のしてきた行為に葛藤することで、壁にぶつかります。
そこから這い上がった後に代筆を行ったのが10話。
多くの方から10話は「伝説の回」と言われたり、「とにかく泣ける」という回になりますが、これだけ感動出来るのはヴァイオレットの葛藤から這い上がって成長した後に、少女との交流があるために彼女は成長と共に少女との親子の絆が描かれるのでより感動出来るのだと思います。
(現に書いてる自分さえ思い出して泣きそうです。)

作画も京都アニメーションらしく、非常に綺麗です。
ヴァイオレットは今までの京アニ作品とは違って舞台がヨーロッパであったり、今までとは違った部分もありますが、このメルヘンチックな感じと水や光等の透明感溢れる美しさはこの作品において際立っていた気がします。


個人的に5話の公開恋文の話は少々少女漫画っぽくて少し苦手なのと、ヴァイオレットの年齢設定がもう少し上にした方が良かった気がするなど、思う部分もありますが、それをあまり気にならないほど他が素晴らしいので非常に満足しています。

ラストも少しほろ苦いながらも非常に美しい終わりかたで凄く好きです。
このテレビアニメが好きだったからこそ、劇場版も凄く感動出来たと思うので、観てて本当に良かったです。
このヴァイオレット・エヴァーガーデンのシリーズは後々語り継がれる作品になってほしいし、10年後も自分は好きであり続けると思っています。

ありがとう、京アニ!