彁

ヴァイオレット・エヴァーガーデンの彁のレビュー・感想・評価

4.9
日本のアニメーションの最高到達点に最も近い作品は?と聞かれたら、私はこのアニメを即座に挙げるだろう。
京都アニメーションの作品群の中でもずば抜けた作画は1カット1カット、透き通るガラスも風になびく髪も湖面に浮かぶ落ち葉も、どこをとっても美しい。そしてEvan Callが手がける音楽もまたストーリーに寄り添い感情を引き出してくれる。豪華声優陣が命と心を吹き込むキャラクター達もまるで実在する人物のようだ。1話完結で進むストーリーだがそれぞれが主人公のヴァイオレットの感情を育み、何もなかったその心に多くの形の「愛」を刻んでいく。この作品の制作に携わった全ての人の、この作品への「愛」がヴァイオレットエヴァーガーデンに愛を教えているのだ。どれだけ時が流れても、この傑作は風化することなく未来への手紙となって、いつまでも人々の愛を育んで欲しいと願っている。
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