slow

ID:INVADED イド:インヴェイデッドのslowのレビュー・感想・評価

5.0
“オレ自身もこの世界をこのまま眺めていたいって思うのは、おかしいだろうか。”
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殺害現場に残った“殺意”から生まれた犯人の精神世界に入り、犯人逮捕を目指す警察の物語。

日本アニメ版『インセプション』であり、救いのあるSF版『セブン』

あおきえい監督作品って不思議なくらい注目を浴びないけど、設定が斬新な作品ばかり。本作もその一つ。

精神世界=イドで必ず最初に死んでる女の子“カエルちゃん”をヒントに犯人の手がかりを探すって…作者はどう生きたらそんなアイデア、思いつくん?

犯罪者が犯罪者の頭の中に入る所は洋画ぽく、序盤は1話、2話完結する事件モノで中盤から主人公の宿敵“ジョンウォーカー”絡みの『キャリー』『エルム街の悪夢』的なホラー展開。

犯人によって異なる精神空間のバリエーションが面白く、抽象的なモノが事件解決への糸口に繋がる所はミステリー的でワクワクする。
しかし「設定」から数個の「事件」を思いついて作り始めたような感じで序盤の事件が最高潮。
後半はやっつけ感があり、キャラ萌え要素でなんとか最後まで見れた感じ。

面白かった犯人のイドBest3
1位.爆弾魔のイド
2位.模倣犯のイド
3位.生き埋め犯のイド

この3つはめちゃくちゃ面白くて、これからも度々見返すと思う。
その中でも3位の生き埋め犯のイドが犯人の哀しい過去を描いてて、全エピソードの中でも心に刺さる。
この回では、みんな気持ちが違う方向に向いてて、意思疎通できてないなかで、犯人の二人だけは言葉で想いを伝えてないのにも関わらず、心が通じ合ってるという皮肉さがたまらない。
そして最後にかかる挿入歌「Eternal Rail」がエモくて好き。なのにリリースされてないっていうもどかしさ。サントラにも未収録…なんでやねん!

続きも作れるオチですが、コミック版に続きます!短いので2巻で完結するのが勿体ないくらい面白い題材なのに注目浴びないのは、あおきえい監督作品のせいなのか、はてさて。
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