センカン

蒼穹のファフナーのセンカンのレビュー・感想・評価

蒼穹のファフナー(2004年製作のアニメ)
4.5
絶望のフルコースを愉しむ極上のロボットアニメ

平和な島で暮らす少年少女達が突如襲来した地球外生命体と闘う物語。
序盤の展開はロボットモノあるあるというか、訳もわからぬままファフナーというロボに乗せられ、フェストゥムという金ピカの敵と戦わせられる、という展開なのですが、この作品の魅力はキャラクターとストーリー展開にあると思います。

一般的なロボアニメって子供達がメインで、親を始め大人って蚊帳の外だったりしますよね。
ファフナーの大人達は真壁司令をはじめ、直接闘う力がなくても子供達と共に全力で敵に立ち向かい葛藤する。子供達を戦場に送り出す事を悔やみ、いつでも自分達が身代わりになる覚悟で居る。
先のシリーズでも共通して印象的なシーンがあって、新しいパイロットを任命するときに、司令がそれぞれの家の親に会いに行って頭を下げるシーンがあるんです。いわゆる赤紙です。
親御さんによって反応は違いますが、時には拒絶したり泣き崩れたりする。なんでウチの子が…と。そりゃ親ならそうするわなと感じ入るシーンです。

新しいパイロットってサラッと言いましたが、定期的に補充が必要なくらい、激戦が続きます。電池切れという怖い言葉もありますが…、時にはろくなフラグも立てずにサクッとやられます。

そんな戦中にあっても、この島では平和な日常を保存する事を流儀としていて、子供達は学校に行くし、大人達は戦時とは別に島での生活の役割がある。未来に絶望だけを残さないために、その生活を続けるんです。この発想は面白いなと思いました。

こうして戦闘と日常が交互に訪れるストーリー展開が、この作品の魅力だと感じています。

他にも個々のキャラやファフナーのカッコ良さなど語りたい部分は数多ありますが、とりあえず一期はこんな感じで、続きは先のシリーズにて!

点数内訳
世界観:4.5
ストーリー:5
キャラ:5
音:4
映像:4
スコア:4.5
センカン

センカン