このレビューはネタバレを含みます
孤島の研究所で、少女時代から完全に隔離された生活を送る天才プログラマ、真賀田四季。四季に一目会いたいと、研究所を訪れた那古野大学教授・犀川創平と学生・西之園萌絵はそこである事件に遭遇する。彼らが目にしたのは、誰も出入りできないはずの四季の部屋から現れたウェディングドレスを纏い両手両足を切断された死体だった。不可思議な密室殺人に犀川と萌絵が挑む。
(ネタバレ)
殺人事件の犯人は真賀田四季。トリックはコンピュータに一般的にはトロイの木馬と呼ばれるウィルスを仕掛け、監視カメラの映像記録システムを狂わせたというもの。自動的に記録される監視カメラの映像は一分毎にフォルダ別に分けられ保存されるが、真賀田四季によるウィルスプログラムが作動すると同じ日時のフォルダが二つ作られ、前のフォルダは新たに上書きされ、これによって生じた一分間の空白の間に、真賀田四季は堂々と事件の現場から脱出。死体は人知れず生まれていた真賀田四季と所長である叔父の娘だった。
アニメでは山根は殺されず。
この作品の題名『すべてがFになる』のF。これは16進数で最も大きい値のこと。普段よく使われている数字の数え方は0~9で表す10進法。真賀田四季が設置した時限プログラムは一時間ごとに数字が増えていき、16=Fが4つ並ぶと、コンピューターを改竄するプログラムが作動するようになっていた。16進法とは0, 1, 2, 3, 4, 5, 6, 7, 8, 9, A, B, C, D, E, Fで数字を記述するもの。A~Fは10~15を表している。 一時間ごとに1進む時限プログラム、16進法によるとFが4つ並ぶ数字は"FFFF"=65,535(16の4乗-1)時間目に作動するようになっている。一日は24時間、一年は24x365=8,760時間。Fが4つ並ぶのはおよそ7年半後。真賀田四季はこのプログラムを7年半前から計画していた。彼女の計画の目的は自分がしたように子供に親を殺させること。だが彼女の娘は親のような天才ではなく、真賀田四季の思想が理解できなかったため、死ぬ事に。 『すべてがFになる』というタイトルの意味は親が子供に仕掛けたプログラムが作動する瞬間ということでもあった。
森博嗣さんの原作は結構好きだったけど、やはり小説のアニメ化は難しいように思った。
この作品だと犀川教授がヘビースモーカーで変な表情で眼薬さす人って印象が強く残って、、なんだかなあ。
原作だと、合理的でちょっと冷たくとれる発言はあるけど時折りはっとするような事をぼそりと言う感じが、その時の描写も相まって、なんだか心地よい空気感出す人だな、、って思えて好きだなと思えたんだけどな。
四季と犀川の最後の会話の場面はやっぱり好きだな。頭良い人同士の論理的な会話は聞いてて心地いい。
四季の娘らしい女の子と四季の会話…四季の娘はどんな気持ちで死んでいったのか
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